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欠落少女の残した日記
──『嫌だ。嫌だ。生きていることが恥ずかしい』
──『痛い。痛い。胸が焼き切れそうなほど痛い』
──『苦しい。苦しい。このまま壊れてしまいそう』
乱雑な文字が、空白の日記のページを埋めていく。
少女は、伸ばされた髪をぐしゃりと握りしめ、涙をその双眸から流した。
──『壊れたい壊れたい壊れたいもう、何も知りたくない』
指の動きは止まらない。シンプルな家具で統一された部屋には、少女の嗚咽と文字を書き殴る音、そしてうわ言のように呟く「痛い、嫌だ」という声が響いていた。
そして、日記の最後のページを書き終えた時、少女の身体はゆらりと傾き、椅子から転がるように落ちて、カーペットの上に倒れた。
時計の針は、夜中の12時を指していた。