表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/6

04 某月某日 そんな強く握られたら、出る、出る、出ちゃうよ!

 クラスの中は、数学の授業中だけあって、静かだった。

 皆が板書をノートに写す音は、どこか緊張感が漂っている。

 数学の先生は、授業中に少しでも五月蠅くすると非常に怒るタイプだ。

 そのプレッシャーを感じて、皆、緊張しているのだろう。


 今日は、周囲に人がいる中、倉田さんが僕のモノを握っている。

 長く、普通よりも太く、硬いモノを。

 普通よりも太い!

 そんなモノを、力強く、ときに優しく握られる。

 時に、押して、時に回転まで加えられる。

 ギュッと後ろの穴を強く押される。

 そ、そんなマニアックな握り方をされるなんて。

 あ、ああ、

 そんな押されたなら出ちゃうよ。

 Hなものが出ちゃよ。

 で、出る!


 芯が。


 Hな芯が出ちゃったよ。


 というわけで、今日は、倉田さんのシャーペンに憑依してます。

 好きな人に握られて、後ろの穴をいじられて、Hなものを出すって、言葉にするだけで非常に胸の高鳴りを止めることなんて出来ない。

 倉田さんは、定規を取り出して、ノートにマスを書き始めた。


 マスを書く。

 マスを書く!

マスを書く!!


 ふぅ。


 倉田さんが、僕でマスを書くなんて。

 興奮が止まらない。


 次に、微積分の問題に取りかかり始めた。

 ふんふん、大した問題ではなさそうだ。

 倉田さんなら、別に大した問題も無く解けると思う。

 って、え?

 なんか悩み始めた?

 僕を握る手が完全に止まっている。

 アッレー?

 もしかして、倉田さんはそこまで数学が得意では無いのだろうか?


「えっと……」


 困ったような声を出し、シャープペンの頭を唇にそっと当てた。

 そう、僕が憑依しているシャープペンである。

 唇の柔らかな感触が恐ろしいほど気持ちE!

 僕の硬いものが、唇をグリグリグリと押しつけられる。

 手で握られて、唇に当てられるなんて、そんなの耐えられるわけがないじゃないか。

 で、でる。

 出ちゃう!

 出るー!


 芯が。


 カチッという音とともに、Hな物が先端から出ちゃった。

 いや、Hな芯がデスよ?


 それにしても、問題が解かれていかないのはどこかもどかしくなってくる。

 教えてあげられれば良いのだけど、本体は教室のずっと後ろの席で幽体離脱しているわけでして。

 あ、はい、寝ているのはいつものことなので、すでにあきらめられています。

 いや、結局起きていても、僕ごときが倉田さんに話しかけるなんて恐れ多いことでして。


 って、ああ!?

 シャーペンの頭を、頭を、唇で押さないで!

 もう、出ないよ!?

 Hなものが、出ないよ!

 もう、出し尽くされてしまったよ!

 うん、出ません。

 はぁはぁ、好きな子に、全部出し尽くされるとか、夢だよね。


 しかし、出し尽くしたらなんだか、疲労感があるのは、どうしてだろう?

 よく分からないけど、それでも、気持ちよくなってきて、意識が……




 ☆


 気がついたときは、僕は真っ暗な空間にいた。

 狭い?

 それでいて、周りになにか硬い物で囲まれている。

 ……。

 なるほど、筆箱の中か(名推理)。

 時々、憑依したまま寝てしまうけど、今回もやってしまったらしい。

 時刻は分からないけど、腹?の具合からして、既に放課後だろう。


 僕も本体に戻って、帰るとしよう。

 と思いきや、外側から捕まれる。

 そして、急に光が差し込んできたかと思うと、僕は握られた。

 倉田さん、久しぶりで……違!?

 僕の目に飛び込んできたのは、夕日の差し込む教室とかわいい系男子の佐々木君の姿だった。

 もう本当に、パッと見ただけだと女子に見えるほどの美少年だ。

 だが、そんな佐々木君は一体何をしているのだろう?

 寝ている本体以外は誰もいないけども。


「く、倉田さん。倉田さん!」


 佐々木君はどこか興奮した様子で、僕をクンカクンカスーハースーハーし始め……って、君もか!?

 お前もか!?

 女子のシャーペンをこっそりクンカクンカするとか、変態だよ!?

 引くわ!


「はぁはぁはぁ」


 と、佐々木君は、カチャカチャとベルトを外し、学ランのズボンを下ろし始める。

 おいおいおい、一体、何を始めるつもりなんですかね?

 曲がりなりにも、寝ている人がクラスにいるのですが?

 僕です!


 あれよあれよという間に、佐々木君は僕が表したシャーペンを股間に持っていき……え、いやいや、そんな、自家発電とか。

 あ、押しつけられた。

 イヤー!

 幾らかわいい系男子の佐々木君でも、股間に押しつけられるとか……アッレー?

 覚悟していたはずの感触がない!

 そう、所謂ソーセージ的な感触が無い。

 代わりに、何故か肉と肉の間に挟まれたり、時々ちっちゃな突起物に当たって。


「倉田さん! 倉田さん!」


 夕日の色に負けないほど顔を真っ赤にした佐々木君が、股間にシャーペンを押し当てる。

 でも、男にあるはずの感触が無い。

 ちょっと、冷静に考えてみよう。

 佐々木君の行動を思い起こしてみよう。

 

 その一、佐々木君は、トイレでは立ちションすることはない。

 その二、佐々木君は、身体測定は必ず休む。

 その三、佐々木君は、プールの時間も必ず休む。

 その四、佐々木君は、クラス合宿では、皆と一緒にお風呂に入らなかった。

 その五、佐々木君は、すっごい女顔している。

 

 つまり、導き出される結論は。


 お前、女かよ!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ