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02 某月某日 太く、硬く、たくましい!


快晴。

 太陽がサンサンと輝いて、空には雲一つ無い。

 風も無くて、日向にいると汗ばむぐらいの陽気だ。

 こんな気持ちの良い日は、外でのんびりしたい気分になる。

 そんな気分だけど、ちょっと違うことをしていた。

 でも、気持ちよい事には変わりない。

 倉田さんが、僕を両手で掴む。

 あの細く綺麗で、柔らかな指が、僕を掴む。

 汚れることもためらわずに、僕を掴む。

 抜くために上下に動かしていく。

 抜くために回転も加えていく。

 抜くために。

 抜く。

 抜く!

 もう一度言う。


 抜く!


 今日は、なんていうことでしょう、抜きあり!

 こんな真っ昼間に、しかも外で、抜く。

 辺りに人の目があるというのに、抜く。

 精一杯力を込めて、抜く!

 嗚呼、抜かれてしまう。

 抜かれる。

 好きな女の子に、抜かれてしまう。

 あ、もう、抜かれる。

 抜かれてしまう。!

 そう思った瞬間、抜かれた。


 き、気持ちいい。


 気持ちよすぎる。

 頭が真っ白になる。

 全身が宙に浮かんだ気分だ。


「わぁ、おっきくて太い! たくましいね!」


 倉田さんが、抜いた僕を見て感心するように言った。

 はい!

 好きな子に言われました!


 太い!

 おっきい!

 たくましい!


 言われました!

 これはもう、男冥利に尽きるというもの。

 録音しておきたかった!

 今は、その代わりに、脳みそに刻みつけるように記憶しておこう。


 って、ああ!?

 倉田さんは、抜いて汚れたままだというのに、顔を近づけてきた。

 そして、そのまま笑顔を見せて、スマホで自撮し始めた!


 な!?


 抜いたばかりで、汚れたモノと一緒に撮影なんて!?

 あまりに不意打ちで、あまりに恥ずかしくて、羞恥に震えそうになる。

 だ、大胆だよ倉田さん!

 でも、もっと撮影してください。

 と思うまもなく、汚れた僕を綺麗にしてくれる。

 これで終わりかと思えば、そうじゃなかった。

 なんと、抜いたばかりだというのに、先端の皮をむき出したのだ。

 そう、皮をむく。

 皮をむく。

 皮をむく!

 い、痛い。

 でも、気持ちいい。


「むきにくいねぇ」


 倉田さんが、ぼやく。

 剥きにくい皮で済みません。

 でも、むかれる。

 むかれていく。

 先っちょの皮がむかれた。

 ちょっとだけ傷む。

 先っちょが外気にさらされる。

 こんな明るく衆人環視の状況で、先っちょがさらされる。

 あまりの羞恥と興奮から、ヴァイブレーションのように震えそうになる。

 

 あ、言い忘れたけど、今日はある人物のダ○コンに憑依している。

 そう、太くて逞しく反り返ったダ○コンに憑依している。

 ダ○コンを抜かれ、撮影され、あろうことか、皮をむかれている。

 今日は、そんな状況です。


「えーっと、あ、あれを抜くのかな」


 倉田さんが、新たなダ○コンを見つめる。

 これもある人のダ○コンだ。

 そうと分かれば、そのダ○コンに、憑依しようか。

 ダ○コンに触れて、あとは吸い込まれるように幽体で入り込んでいく。

 二本目の抜きを今か、今かと待つ。

 ドキドキと鼓動が全身に伝わってくるかのような錯覚に陥る。それほどまでに、二本目の抜きが楽しみだ。

 目を閉じて、他の感覚に意識を集中する。

 両手で、捕まれる。

 上下に強く引っ張られ、時にグラインドを加え、さらに左右へと動かし、僕は本日二本目の抜きを味わった。

 抜きを。

 抜きを!

 嗚呼、やっぱり気持ちいい。

 体が火照った感覚で、外気のほんのりと冷たいのが、気持ちいい。

 ありがとう、倉田さん。

 倉田さん。


 !?

 

 な、何故!?

 そんな、まさか!?

 どういうことだ!?


 僕を掴んでいるのは、倉田さんでは無かった。

 クラス一番のカワイイ男子、佐々木君だった。

 女顔で小柄で小動物のようにおとなしい雰囲気の男子だ。

 ああ、なんで、そうなった。

 どうしてこうなった。

 いくら可愛くても、男に抜かれるなんて。

 僕は、軽いめまいに似た感覚に襲われ、フワリとダ○コンから抜けていく。。

 佐々木君が、力一杯握りしめるダ○コンからジワリと放出される。

 宙に浮かんで、倉田さんの姿を見ると、何故か北野さんと会話をしている。

 そうか、北野さんと会話が始まり、倉田さんが抜くはずだったダ○コンは、佐々木君が抜いたという訳か。

 て、手違いで、男に抜かれるなんて。

 男の手で、抜かれるなんて……。

 嗚呼、でも、気持ちよかった。

 クラス一番カワイイ男子なら、もう、男でも……。


 いやいやいやいやいや!

 しっかりしろ!? 自分!?


 全くもう、こうなったのも、北野さんが倉田さんと話しているせいだ。

 あの、変態の北野さんめ。

 また、お前か!

 と恨めしい気持ちを持ちつつ、僕は二度も抜かれた疲労感を全身に感じていた。

 だが、まだ、まだ、達していない。まだ、抜かれ続ける先に、限界を超越した先に、浪漫が待っているはず。

 そうと決まれば、さらなるダ○コンに憑依してやる。

 倉田さんが、北野さんとの話を終わり、新たなダ○コンを手にかけている。

 あれだ!

 あのダ○コンに憑依するんだ。

 慌てて憑依すると、これまでと同じように、上下左右に回天も咥えて、じっくりと力強く攻められ、再び抜かれる!

 抜かれて気持ちいいと思った余韻を味わう前に、さらに皮をむかれる。

 むかれて気持ちいいと思っていたら、今度は、すり下ろされ、って痛い!?

 慌てて、僕はダ○コンから抜け出した。

 ダ○コンが、おろし金ですり下ろされている。そんな、抜いて皮をむいて、すり下ろしていくなんて。

 ちなみに、今現在、大根畑にいます。

 倉田さんを含む、クラスメイト達が次から次に大根を抜いていってます。

 戻ろうかな。

 三度も抜いて貰い、スッキリとしている僕は、学校に戻った。

 学校に戻り、保健室に向かうと、僕の本体が寝ていた。

 憑依と同じ感覚で、体の中に入っていくと。

 全身の浮遊感が消えて、重みが感じられる。

 宇宙から戻ったばかりの宇宙飛行士も同じような感覚を経験しているかもしれない。

 

「あら、起きました? みんなが今頃、大根を抜いているというのに、寝ちゃうなんてね?」


 保健室の先生が、可愛そうだなといった様子で言うが、僕は大根を抜くのでは無く、抜かれる貴重な経験をしてきたのだ。

 言っても、信じれ貰えないだろうけど。

 うん、抜かれた上に、洗って貰え、皮までむかれる。

 好きな子にこれだけ奉仕して貰える大根がなんて羨ましいだろうか。

 それにしても、足の指先が、なんとなく痛む。

 すり下ろされた所為だろうかな。

 全身に疲労感と局部的な痛みを感じつつ、僕は保健室を後にしたのだった。

 それにしても、男の子に抜かれるなんて、予想外だったけど、抜かれる気持ちよさは半端なく……いやいやいや、僕はノーマルなのだから、変な趣味に走るなんてよそう。

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