鎖
腐っていた灰皿
どこにも行けないその場限りの焦燥
脳の中まで焦げ付いて
足は微塵も動かない
諦観ばかりよぎって
もう羊を数えるのは辞めた
そうおんなじ様な脂の中
ブラブラ手首くだらない
惨めにもなにもできることのない
賢しいことばかり考えた嘘ばかり
君も
目も
足も
指も
心臓も
どこかへ消えてしまえ
今日もおんなじ様な日の中
なにも答えられないようになった
ああ、そうさ
くらくらになるまで
誰かを嫉妬してしまって
枕を水で濡らす
そんな夜を繰り返して
誰かに嘘をつかれてしまって
どこにも連れ去られない感情
今
声が聞こえたような気がした
気づいているんでしょう?
空いてしまった血管
爪をつめて
髪をつめて
汗を詰めてみても
どこにも私がついてくる
誰でもない私を取り替えて
君に会いにいくと仮定して
どうやら気づかないと
その場で直ぐにわかった
そう、私は誰でもない私なの
誰にも見向きされない
感情を押し殺して
夜を見間違え
泣いているばかりだ
君の血を抜き取って
私に入れてみても
無駄なことだとわかるのに
ああ止められないの
積み上げられた日常を
崩してみても変わらない
誰にも見られない
消えてしまいたの
誰かに嘘をつかれてしまって
どこにも連れ去られない感情
今
声が聞こえたような気がした
気づいているんでしょう?