カエルの怨霊 〜大晦日バージョン〜
ホラーではありません。
安心してお読みください。
これは大晦日の夜に起きた出来事です。
草木も眠る深夜。しとしとと冷たい雨が降る中。とある田舎の道路を1台の車が走っていました。
車に乗っているのは、男女のカップルで、男の名前はタカシ。女の名前はエリカです。
田舎の道路は真っ暗で、車のライトだけでは薄暗くて、おまけに雨。視界は悪い状況でした。
「くそッ! ナビのとおりに走ってるのに、こんな道知らねえぞ!」
「ちょっと、こんな時間に道に迷うとか最悪なんですけどー。暗いし、なんだか薄気味悪いし。なんとかしてよー!」
カップルはイライラしていて、車内の空気は険悪です。
そして、道に迷ったタカシの車はさらに農道に入ってしまったようです。
辺り一面、田んぼが続く農道を走っていた。その時でした。
ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!
ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!
突然、カエルの鳴き声が大音量で響き渡ります。タカシは、さらにいらつきました。
「あーッ! うるせー! カエルの鳴き声マジうぜえ! ったく」
タカシは車内BGMの音量を上げようとして、正面のパネルに手を伸ばしました。
その時です!
エリカは、タカシに向かって言いました。
「変えるの? 音量」
かえるの? おんりょう
カエルの… 怨霊
ハッピーニューイヤー! イエーイ!
新年も上げていこうぜ! チェキラッ!
くだらない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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