#1 僕の名前
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ああ、気持ちいい。昨日まで痛かった体が嘘みたいに痛くない。これは夢なのかな?夢ならほっぺをつねったらわかるよね。………痛くない夢じゃないってことか。そうだな…まずは起きてみるとするか。あれ?こんな視点低かったっけ?…っていうかここはどこ?雲の上っぽい。色もパステルカラーばかりで綺麗だ。天国かな?
「あっ!もしかして迷い人ですか?私迷い人始めて会いました!運がいいですね!」
「あの。ここはどこなんですか?迷い人って一体なんですか?」
「ここは離界ですよ。世界とは次元が違う場所にあるところです。ここは魔素が濃く時間の流れが遅いんです。大体天界の別次元バージョンって思ってくれたらいいです。迷い人ってのは、他の世界からここに迷い込んでしまった人のことです。それより、どうやってきたんですか!?」
ここは離界。そして僕は迷い人。でも僕には今までの記憶がない。どうやってきたのか、名前すらもわからない
「えーっと。わからないです。僕には記憶がないんですよ。名前すらわからないので」
「そうなんですか。現世への行き方がわかると思ったんだけどなー。でも名前まで忘れてるっておかしいですね」
「えーっと。貴女のお名前は?」
「私はユーリと言います。貴方名前がないんだったら、鑑定してみましょう!そしたらわかるかもしれないですし」
鑑定…てことはこの世界には魔法があるっていうことだ。魔法?魔法ってなんだ?今のは誰の記憶だ?僕は魔法って言葉は知らないはず。だとしたら誰かの記憶が僕の中にある?そう考えるのが妥当かな。
「ではみますねー。えーっと…………!?…ないですね。名前がないです」
「え?名前ないんですか?」
「はい…ないですね。じゃあわたしがつけましょう!まかせてください!」
「じゃあお願いします」
まさか名前がないとは想定外だ。名前でなんかわかるかもしれないのに。
「ラックでどうかな?私たちの言葉で幸運を意味するの。どう?」
「いいですね。ありがとうございます」
ラックかいい名前。気に入ったな。優しくしてくれる人からの名前は嬉しいな。自分に家族ができたみたいだ。
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