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夕焼け空で

作者: 朝焼 悠

街が夕焼けに染められていく

帰り道は

せめてもの救いのはずなのに

友達とはしゃぐ学生や

幸せそうにじゃれ合う親子と

すれ違うたび

伸びている影の色が

僕一人だけ

際立って濃く見えて


僕は

影の中から一生

出られないんじゃないかって

心が

真っ黒い影の中心に

沈んでいく

あと少しで頭まで

どっぷりと浸かりそうなところで

何か聴こえてくる気がしたんだ


それは寂しすぎる僕が

求めた幻かもしれない

それでも


この夕焼けの下には

遠く離れたどこか空の下には

僕の声が届いたと教えてくれた

あなたがいる


一人で塞ぎ込む前に

声を聞いてって

その声だって

ちゃんと届いているからって


そんな声が聞こえた気がして

一人ぼっちの帰り道

思わず俯いていた顔を上げたんだ


僕が乗り越えた一日は

あなたが闘い抜いた一日

共にどこかで励まし合って

ヘトヘトになりながらも

辿り着いて照らされている夕焼け


きっと一緒に赤く染まっている


この夕焼け空で繋がっている


浸かりかけた影の縁に手をかけて

僕は今日最後の陽光を全身で受け止める


独りに落ち込むその前に

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良い! 素敵!! >きっと一緒に赤く染まっている  この夕焼け空で繋がっている この部分がすごく良くて好きです✨ 画を想像するとエモくて涙が出てきます…( ω-、) なんだかキ…
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