ACT0/最強とは
無敵や最強、って言うのは結構ムズカシイもんだ。
寝る間を惜しんで、布団の中でゲーム機と格闘。
体温とDSの熱で、蒸し焼きになった子供時代。
手塩に掛けたパーティーも殿堂入りを迎え、手持ちの殆どがレベルを70台を迎えていた。かつての強敵達も、もはや経験値程度の認識だ。
しかしゲームとは言え、そんなに甘い事はなく。
思いあがった少年少女らは、レベル80前後の前作主人公(裏ボス)に蹂躙されるのだ。
なぜ勝てなかったのかと振り返ると、それは簡単。
最強じゃなかったからだ。
手持ちをレベル100まで育ててさえいれば、強敵たちにも楽々勝てたのだろう。
レベル最大とは文字通り、最強なのだ。
あの世界で僕に敵う者は誰もいない。
そしてひょんなことから、2度目の人生を始める事となった『古賀達也』と言うこの男。
ここで最強=レベル100と仮定するならば、彼は現在間違いなくレベル100の能力を手にしていた。
『元傭兵と言う圧倒的ステータス』『他人の能力を打ち消す魔法』
そして2度目の人生。
こうまで聞くと、十分すぎる様にも聞こえるだろう。
だがしかし、異世界の連中もまたレベル100であったのだ。
これは異能を巡る数奇な運命のお話。