第29話後編 いよいよ本番
……すごい。ただ、それに尽きる。
アガーシャのライブは、本当に、すごい。
呼吸も忘れるくらい見入ってしまう。言葉が出てこないくらい圧倒的。なんて形容したらいいのか、わからない……それくらい、すごいパフォーマンスだった。
ソロとはいえ、前大会優勝の名は伊達じゃない……それを突きつけられた気分だった。
「あたしたち……こんな中で、できるの?」
不安そうな颯姫さん。その言葉に顔を曇らせてしまうメンバー……だけど、一人だけ、声を上げた。
悠里さんだ。
「だ、大丈夫、です!」
その言葉にみんなが注目すると、悠里さんはどもりながらも言う。
「ここまで、ずっと頑張ってきたんですから……それに」
「起こすんでしょう?にじいろ革命を!」
にじいろ革命。それは、今回やる曲のタイトルだ。
瑠奈さんが言っていた。「私たちで、革命を起こしたい、そう思ったの!」と。
「そうだ……そうだよね、大丈夫!私たちなら……RAINBOWSならやれる!頑張ろう!」
悠里さんの言葉を聞き、勢いよく言い切る瑠奈さん。そして、それを聞いたみんなも笑顔になった。
「よし、円陣組もう!」
瑠奈さんの言葉を聞き、私たちは円陣を組む。
「RAINBOWS!全力で楽しむぞー!」
「「「「「「「「おー!!!!!」」」」」」」」
そして、司会の三年生さんが話し出す。
「次は、RAINBOWSの登場です!」
フォーメーション通りにステージに立つ私たち。みんなが位置に着いたのを見計らって、瑠奈さんが話し始めた。
「こんにちは、RAINBOWSです。RAINBOWSは、ハイドラに出たいという思いでメンバーを集め、結成したユニットです。私たちは、このメンバーだからこそ、今ここに立てています。その思いを胸に、全力でパフォーマンスするので、聞いてください!」
「RAINBOWSで、『にじいろ革命』です。どうぞ!」
大丈夫。私たちは頑張ってきた。前に立つ四人の背中を見ながら、私はそう、自分自身に言い聞かせた。




