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「桜、その少年のところに行きなさい」と桜のお父さんは言った。

 桜はお父さんの話をじっと聞いている。

「お祭りのことはみんなに私が説明をして、私が代わりに本殿でお祈りをすることで、巫女の舞の代わりとします。だから、行きなさい。行って、自分の気持ちをその少年に伝えてきなさい」

 桜のお父さんは言う。

 事情は聞いていないと言いながら、桜のお父さんは結構、深いところまでどうやら話を聞いているようだった。

「はい。ありがとうございます。お父さん」

 桜はお父さんに正座をしたまま、頭を下げてお礼を言う。


 それからの桜の行動は早かった。

 巫女服から普段着に着替えをして、(それは真っ白なワンピースだった)走るための運動靴を急いではいて、小森神社を飛び出した。

 近くにいた神社やお祭りの関係者の人たちは、桜の走っていく姿を見て、驚いたり、いったいなにが起っているだ? って言う顔で桜のことを見ていた。

「桜ちゃん! どうしたの?」と声をかけてくれる人もいた。

「ごめんなさい! あとで説明します!」と走りながら桜は言った。

 桜は石階段を駆け下った。

 すると、電話で話した通りに鳥居のところには鈴がいた。

 鈴は落ち着かない様子で、ちらちらと石階段の上のほうを見ながら、下を向いては携帯電話を見て、時間ばかりを確認していた。

「桜!! 遅い、遅いよ! ほら、早く乗って!」

 桜の姿を見るなり、鈴は言った。

 桜は鈴の自転車の後部席に飛び乗った。

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