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 電話は鈴からだった。

「もしもし、鈴?」桜は電話に出る。

「もしもし、じゃないでしょ! 桜、あなた、まだ小町くんに返事をしてないそうじゃない! なにやってるのよ!」とすぐに鈴に怒られた。

「だって、どう返事をしていいかわかんないから……」と桜は言った。

「あなたね、それでも恋愛の神様を祀っている小森神社の巫女なの!?」と一番言われたくないことをずばっと言われた。

「……うるさい! うまくいってる鈴にはわかんないんだよ!!」桜は怒鳴った。

 それからすぐに自分の言ったことを後悔した。

「……ごめんさない」桜は無言の鈴に誤った。

「……ううん。こっちこそ、ごめん」鈴は言う。

「でも、桜さ、返事はしなきゃだめだよ。それもできれば、電話とか、手紙とかじゃなくてさ、自分の口で、直接あって、小町くんにきちんと返事をしたほうがいいよ」優しい声で、鈴は言う。

「もう間に合わないよ」

 桜は時計を見る。

 もうすぐ、楓の乗る予定の新幹線が出発する予定の時刻だった。

「ここから東京駅までなら、そんなに時間はかからないよ。頑張れば間に合う。桜さ、私が、今、どこにいると思う?」鈴が言う。

「どこって、どこ? お祭りの会場の中? 律くんと一緒にいるの?」桜は言う。

「ばかね。そんなわけないでしょ? 私は今、小森神社の鳥居のところにいるの。自転車もあるのよ。準備運動も済ませている。桜。私の言ってる意味、わかる?」鈴は言う。

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