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「……少しだけ、考えさせてください」桜は言った。

 それは自分でも意外な言葉だった。

 楓はこの場所でごめんなさい、と断られることを覚悟していたのか、少し驚いた表情をしていた。

「もちろんです。でも、僕はあと一週間で、東京を離れます。だから、それまでに返事を聞かせてもらっても、いいですか?」と楓は言った。

 桜は「はい」と言って、楓に返事をした。

 楓は「わかりました」と言って、二人はその日、その場所で別れた。


 その次の日、桜は鈴を小森神社に呼び出した。

「え? 告白されたの? 小町くんに?」鈴はとても驚いた顔をした。鈴は律くんを通じて、楓のことを知っていた。律くんから「こいつ、これの友達なんだ。中学のときに引越しをして、今はこっちには住んでいないんだけど、夏休みで戻ってきていてさ、ほら、あの桜にラブレターを書いたやつだよ」と言って、楓を紹介をされたらしい。

「うん。それで困ってるの」

「困ってる? どうして?」鈴は言う。

「私、今は誰とも恋愛をする気になれないの」桜は言う。

 桜は今日も、仕事があって巫女服を着ている。巫女服姿の桜はそう言ってから、大きなため息をついた。

 鈴は出してもらったお茶菓子のせんべいを食べながら、桜の話を聞いている。

「なのに、その場で小町くんの告白を断ることができなかったのよ。少し考えさせてくれって、言っちゃったの」

「それって、つまり桜は小町くんに気があるってことなんじゃないの?」鈴は言う。

「うーん」と桜は困った顔をする。

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