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あ、うん。  作者: 雨世界
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 そのせいなのだろうか? その日、明日香はお店で何度か小さなミスをしてしまった。お水をこぼしたり、お皿を割ってしまったりしたのだ。明日香はあまりミスをしないほうだったので、結構それがショックだった。

「なにやってんだよ」と小声で一緒にホールをやっていた匠が言った。

「わかってるよ」と明日香も小声で言う。そのやり取りのおかげで、なんとか明日香はいつもの気持ちとペースを取り戻すことができた。

 少しして匠が二人に挨拶をしに行った。

 厨房に戻ってきた匠は明日香に「なんかさ、もちろん五十嵐先輩はずっと綺麗なんだけどさ。林先輩と付き合ってから、今までよりもずっと綺麗になったような感じがするよな」と言った。

 それはその通りなんだけど、むかついたので明日香は匠の腕にパンチをした。すると木野さんに「梢さん。お店の中で暴力を振るわない。やるなら駐車場でやって」と注意をされた。

 キッチンを店長と二人で回している木野さんはとても忙しそうだった。

「すみません」と明日香は木野さんに誤った。

 それからデザートのサービスを木野さんが(あと明日香も)自腹で用意してくれたので、それを明日香が二人の席に持って行った。二人はそのデザートをすごく喜んでくれた。

 そんな二人の姿を見て、なんでそこに座っているのが私じゃないんだろう? と明日香は思った。でも二人の笑っている姿はとてもお似合いで、本当にぴったりという感じだったので、むしろその場所に自分がいる想像のほうがいびつな感じがしてきた。

 林朝陽先輩と五十嵐響子先輩は本当に幸せそうだった。

 二人の間に割って入る隙間なんて、どこにもない。二人はぴったりとくっつきあって、それはまさに完全だった。

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