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 にっこり笑う律の顔を見て、鈴の顔は赤くなった。

 それは自分の勘違いに気がついたから、……だけではない。

 それから鈴と律は石階段の端っこに移動して、そこでお互いの事情を話し合った。その話によるとどうやら桜にラブレターを書いたのは律の友達の男の子であるようだった。

 律はその男の子に借りがあって、ラブレターをその子の代わりに小森神社にいる小森桜にまで届けに来たということのようだ。

「でも、実際渡すとなると恥ずかしいしさ、それにこれ、俺の手紙じゃないし、それで、まあ、あの鳥居のところで、どうしたもんかな、って悩んでたんだよね」律は言う。

 鈴は少し考える。

「まあ、そういうことなら、別にいいです。その手紙、渡してください」鈴は言う。

「え? いいの?」律は言う。

「はい。私が責任を持って、この手紙を桜に届けます」

「サンキュー。本当に助かるよ。ありがとう、鈴」

 そう言って、律が手紙を差し出して、それを鈴が受け取ったところだった。

「鈴? なにしてるの?」

 そんな聞きなれた可愛らしい声が聞こえてきた。

 場所は二人のいる石階段のもう少し上のほう。つまり小森神社のほうからだった。

 鈴が見ると、そこには、はっとして驚いた表情をしながら、目を丸くして口元を両手で抑えている小森桜が立っていた。

 桜は仕事を手伝っていたのか、赤と白の巫女服姿のままだった。

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