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第8話 やっぱり無理かも


 帰りは人ごみに紛れて難なく家に着くことができた。


「ただいまぁ」


「あ、兄貴~。お帰り~」


 と、妹が台所からひょっこり顔を出す。


「今日はお母さん達は保護者説明会とかで学校に行ってるから、私が夕飯作るね~」


 妹はそう言った後、顔を引っ込めた。


 ほほぅ。妹の手作りご飯か。

 現実世界には弟しかいなかったから、妹という存在に憧れていた。

 実際に妹がいる友人にどんなものかと聞いてみたことがあるが、『あんまりいいもんじゃないぞ? うるさいだけだ』と、言われたことがある。

 それもそうかぁ。と思いつつも、やっぱりちょっと憧れていた。

 だからこの世界に来て願いが叶ったようで少し嬉しかったりする。

 しかも兄妹仲は良好なようだ。

 俺が入院していた時は心配してくれたしな。

『兄貴臭い! 近寄るな!』

 なんてこの世界で言われてしまっていたらきっと早々に心が折れていたに違いない。

 そんな事を思いながら台所を覗いてみると、


「今日はカレーだよ~」


 なんて明るい声で言っている。

 ほほぅ。ほほほぅ。それはそれは。

 俺はカレーに対してはうるさいぞ?


「そうか。楽しみにしてるぜ!」


 俺もテンションが高くなり鼻歌を歌いながら自室で着替えをしてくる。

 やっべぇ。楽しみすぎる。

 もうこんな鬼畜ゲーじゃなくて妹萌えゲーをしたいのですが、ダメでしょうか?

 ラストは皆に認められ、盛大な結婚式を挙げるという方向で。


 そんな事を考えながら着替えた後、ドタドタと階段を下りてリビングで待機をする。

 テレビでも見るか……。


「<続いてのニュースです―――。―――清高学園で連続して起きた婦女暴行未遂事件で―――>」


 あ~……これやってるのかぁ。


「その事件。紗香ちゃんの件で兄貴の事がクラスでも有名になっちゃってさぁ~」

 と、妹が包丁で軽快なリズムを刻みながら言ってくる。


「そうなのか。俺の事はテレビで言われてなくてちょっと安心したよ」

 ニュースを見ている限り俺の事には触れられていない。

 少しホッとする。


「家の前に沢山取材する人が来ていたら面倒くさそうだもんね~」


 妹は俺と同じ考えのようだ。



 その後妹作のカレーを食べ感動し、心の中で味の評価をまぁまぁであると定めた後、俺は自室に引き籠もりこれからの事をまとめる。


 三田川 麗子が学園で受けている虐め問題については大事にはならないだろう。

 勿論俺に危険が及ぶことも無さそうだ。


 三田川さんには家庭の事情もあるだろうが、両親から暴力を受けているわけではないので、とりあえず命の危機は無いだろうと思う。

 両親から愛を受けていないというのはそれなりに問題はあるだろうが、そこまでの問題を解決する手段を持たない。

 これから友人や恋人を作って愛というものを知り、楽しく過ごしてもらうしかない。


 では続いての問題だ。

 残り5人。


・同級生で幼馴染設定まで加えられた野和 彩香。


・同じく同級生の剣道部エース坂江 由梨


 ここまでは顔見知りだ。

 そして、


・清高学園生徒会長。


・俺の妹と同学年の生徒会長を崇拝するお嬢様。


・同学年のイギリスからの転校生。


 まだこの世界で会った事がない三人の内二つの事件、イギリスからの転校生の件とお嬢様の件は命の危機を感じる事件だ。

 正直この二つは佐々木刑事に全て任せた方が良い。


 俺はできるだけ安全な方を担当しよう。

 委員長の野和さんの事件は鬼畜主人公の行動が影響されていた為、今すぐ大事になる可能性は低い。なので、しばらく野和さんに対しては慎重に行動をしようと思う。

 そうすれば事件が勝手に起きてくれるだろう。


 さて、続いて問題なのは生徒会長の件だ。

 どうやって解決をすればいいだろう?


 生徒会長の名前は『光明院こうみょういん さくら』という。

 学年は3年生。


 しっかしすげぇ名前だな。苗字がキラキラしている。

 あ、俗に言うキラキラネームという意味じゃないよ?

 明るい意味を持つ漢字が多く使われているという意味よ?


 彼女が抱えている問題には、実は彼女も気づいていない事がある。

 現在俺が通う清高学園で盗難事件が頻発しているはずなのだが、犯人は盗難事件だけを起こしているわけではない。。

 ゲーム内で後々分かるが、犯人は女子更衣室の盗撮もしていたのだ。


 盗撮事件が発覚後、彼女は深刻なダメージを負ってしまう。

 それは光明院 桜が盗撮された映像、画像がネットの海に流出してしまったからだ。

 どんなものかというと、プールの更衣室での着替えと言えば察してもらえるだろう。

 タオルで全身を隠してから着替えれば良かったのに……。


 原作では鬼畜主人公が犯人を捕まえることに成功するが、ネットに流出してしまった動画、画像の件で光明院さんの苦労は終わらなかった。


 鬼畜主人公が居ない今、解決すべき事は盗難、盗撮。そしてネット流出の件である。


 原作知識であれば、流出を知った日は今週の木曜の朝だった。


 確か盗撮をしていた犯人が水曜日の夜にその日に回収した録画映像をパソコンに保存した後、インターネットで18禁サイトを閲覧していた際、パソコンにウイルスが感染してしまい、それが盗撮動画、画像流出の原因だったはずだ。


 流石に鬼畜主人公では一度ネットの海に広がった情報をどうにかすることはできなかったらしい。


 今日は月曜日。


 つまり残りは2日後の水曜日に事件を解決をしなくてはいけない。




 ではどうやって捕まえるのか。


 確か犯行は水曜日に光明院さんのクラスが体育の授業を受けている時。


 ならば、2日後の時間割を調べるしかない。


 捕まえるならそのタイミングだ。





 さて、どうやって3年生の時間割を調べる?


 豊森先生に聞くか?


 うーん。聞くなら理由が必要だけど、どう説明をしようか……。


 盗難事件の件を調べたいと言っても、危険だからと関わらせてはくれないかもしれない。


 うぅ~ん。困った。


 もうこうなったら直接光明院さんにでも聞いてみようかなぁ。

 適当な理由を言って。






 ……その適当な理由のいい案が思いつかない。


 こういう時は別のことを考えて、頭を切り替えよう。


 次に俺は、自分自身の調査をするべく室内を探る。

 どれも見覚えの無い家具ばかりであるが、漫画やゲームが現実世界で持っていたものと同様の物がある。

 不思議な感覚だ。

 そもそもこの世界はどういう世界なのだろか。


 俺は生徒手帳や学校のプリント等を見て調査を進めていく。

 ハハッ。生徒手帳に写っている俺の写真。撮った覚えの無い写真を見ると不思議な気持ちになる。


「ん?」


 俺は生年月日の項目を見ると違和感があった。

 なんだ? この感覚……。


 俺が生まれた年は違うが誕生日は一緒。

 今は高校2年生だから、17歳位だろう。

 しかし頭の中で計算しても17歳にならない。


「おかしいな……」


 もしかしたら俺は馬鹿になってしまったのかもしれない。文明の力を頼るとしよう。

 スマホで電卓のアプリを起動し計算をしてみた。


「う、嘘だろ?」


 結果は18歳以上と表示されていた。


「留年したのか!?」


 慌ててアルバムを確認する。


「やっぱり……。盛田 庄平と野和 彩香が中学の卒業アルバムに一緒に写っている」


 慌ててスマホのSNSでクラスメイトの情報を確認する。


「……。庄平と野和さん、坂江さんだけが俺と同じ年の生まれ……。それ以外が年下!?」


 驚愕の事実。

 いったいどうなっているんだ!? そろいも揃って留年してたのか!? 高校受験に失敗していたのか!?


「この世界は一体……」


 そう口にして気付いた。


「あぁ……、そうだったな。この世界は―――」


 18禁ゲーム内の世界だと。

 主要な登場人物は全て18歳以上なのだと気付いた。


「だけど、そんな事あるのかよ……」


 おかしい。

 年齢以上にとてもおかしい事があるのだ。


「俺っていったいなんなんだ?」


 それは俺という存在だ。

 俺はモブキャラのはずだ。

 『強襲転校生』の世界には『尾野 駿』という登場人物は出てきていない。

 登場していない人物といえば、両親や妹もそうだが、盛田 庄平や佐々木刑事なども当然出てきていなかった。

 主要キャラクターが幼馴染。

 可愛い妹。

 どれもモブには不必要な設定ではないだろうか?


「それに18歳じゃなくてもいいだろ?」


 別に幼馴染ってのは同い年の者だけをいうわけではない。

 年の離れた幼馴染だっているはずだ。

 それなのに生徒手帳の生年月日を信じる限り俺は24歳ではないし、17歳でもない。

 しかし年齢が変化しているにも関わらず、ゲーム内の主要キャラクターと同じ年齢なのだ。


「野和さんを助けるには都合が良い存在……なのか?」


 ゲームでは野和さんに男子生徒の幼馴染が居るなんて情報は無かった。

 あればあったで、鬼畜主人公毒牙に掛かっている最中、元々『尾野 駿』の役割だったモブは何をしていたんだという事になる。

 雰囲気からどうやら俺と野和さんはお互い下の名前で呼び合う仲だ。

 しかし一度も野和さんの家に男の友人が心配して訪ねてくるという描写は無かった。

 だとすれば、俺という存在。キャラは追加された新しい存在なのではないかと考えた。


 今まで俺は元々存在していたゲームキャラに憑依した存在なのではないかと考えていた。

 元々ゲーム内に入るなんてネット小説によくある出来事だな。と深く考えてはいなかった……いや、余裕が無く考えていなかったが、今思うとおかしなことばかりである。


「それにしても、いったいどうして俺はこんな世界に? 誰かが俺を意図的にこの世界へ入れたのか?」


 神様か悪魔か……。


「いや、それはおいおい考える方向でいいか……」


 誰がという部分はとりあえず置いておこう。

 それを考えたところで何かが解決するとは思えない。

 ある程度落ち着いてからでも問題ないだろう。



 再び考えることはヒロインの救済。


 なんとか光明院 桜に接触をして事件を解決していこう。













 翌日。


 結局光明院さんと接触する為の案は浮かばなかった。

 自然な接触をする為に生徒会に潜り込む事も時期的に無理だ。

 古新聞を切り抜いて予告状みたいに犯人の名前を知らせることもできるかもしれないが、密告をしたのは誰かという話になるし、俺だとバレたらなぜそんな事を知っていたかって話になる。

 もうそれでいいんじゃないかとも思ったが、元の世界に帰れるかどうかわからない状態で、この世界でリスクを犯すのはよろしくない。

 事件が全て解決したら元の世界に戻れるよ! って条件なら好き勝手できたんだろうけど……。


 学校へ着いても良案は浮かばなかった。

 いっその事一日中女子更衣室に隠れて盗撮や盗みを行っている瞬間を捕まえればいいと思ったのだが、場所は女子更衣室だ。

 俺が行けない場所である。


 俺が頭を悩ませていると、心配したのか遠巻きに野和さんと坂江さん、庄平とその他男子が俺を見ていた。

 なんだよ。はずかしいぞ。


 担任の五和先生と副担任の豊森先生が入ってきて朝のホームルームを始める。


「突然だが、今日から別のクラスから移って来る子が居る。『三田川』、入って来い」


「えっ?」


 その名前に俺はいち早く反応した。

 豊森先生が教室の前方の扉を開けると見覚えがある人物が入ってくる。


 腰まで長い深緑の髪。

 小さい背で年下なのではないかと勘違いしてしまいそうな容姿。

 間違いない。『強襲転校生』のヒロイン『三田川みたがわ 麗子れいこ』だ。

 俺が昨日五和先生と豊森先生に虐めの被害者として報告をしたヒロインだった。


「あ~、とある理由で退学になった転校生の影響でクラスの人数がまた合わなくなってな。その影響で調整として2年D組から来たんだ」


 と、五和先生は説明をする。

 何だその説明。苦しいのにも程があるぞ!

 人数調整ってなんだよ。

 おかしいだろそれ。


「2年D組から来ました。三田川 麗子です……。よろしくお願いします」


 三田川さんの自己紹介はとにかく暗かった。

 誰とも目を合わすことも無く顔を伏せ、声のトーンも暗かった。

 クラス全員が反応に困り顔を見合わせている。

 自己紹介の事もあるだろうが、恐らく彼女が虐められていたと知っている者達が居たんだろう。教室には妙な空気が漂っていた。


「さあ! 三田川。お前の席はあそこだ。あの空いている席」

 五和先生がそう言って元々鬼畜主人公が座っていた席を示した。

 俺の前の席である。

 三田川さんは素直にそこへ移動し、座る。


 ―――静かだ。


「じゃぁ、出席を取るぞ。安藤!―――」


 これで2年D組に居る不良共と接触することは少なくなるだろう。


 こうして意外と早く三田川さんの問題は解決できた。






 かに思えた。







 昼休み。


「お~い、三田川ちゃ~ん」


 昼飯を食べ終わった俺は、廊下からこちらを見ている女子の声に気付き振り向いた。


「ん!?」


 相変わらず凄い髪色の連中がやってきた。

 金髪の女と紫のメッシュの女。

 二人は見るからに不良だったが、この世界の基準ではどうなんだろうな。

 不良っぽい娘二人は三田川さんを見ながらニヤニヤとしている。


「一緒にお話しようぜぇ~」


 傍から見れば友人を誘っている女学生達……には見えないな……。

 三田川さんの方を見ると、少しビクビクしている。これは明らかに仲がよくないだろう。

 こいつら、もしかして原作の不良娘三人と同じあの2年D組のクラスメイトか?

 おそらく一緒になって三田川さんを虐めていたんだろう。


「えぇっと、ゴメン。これから有志のクラス会議があるんだよ」

 と、俺はとっさに不良娘二人に嘘をついた。


「あ"ぁ? それがうち等何か関係あるの?」


 本性見せるの早すぎだろ。

 ちょっとカチンと来た。


「三田川さんを呼んでたようだから、言ったんだよ。三田川さんもこれからやる会議のメンバーの一員だからね」

 俺はイラつきながらも丁寧なトーンでそう言った。


「んな!? 何それ! 喧嘩売ってんの?」

 不良娘は顔を顰めながら俺にそう言ってきた。

 なんでそれが喧嘩を売ることになるんだよ。

 あぁ~……。なんかゲームのキャラだけど腹が立ってくる。


 もうこの日本語が通じない獣共に低姿勢である必要はないよね?


「え? 何で喧嘩売ってる話になるのかな? えっと、別に待っていてくれてもいいけど会議の邪魔にならないようにしてね。あ、それかもしよければ会議に参加する?会議のテーマは虐めについてだからさぁ」

 満面の笑み。俺は怖い顔なんてしてないが、不良娘二人は更に不機嫌な顔になり、


「テメェ。覚えてろよ!」

 と言って去って行った。 


カチン。


 調子に乗ってんじゃねぇぞこのクソガキ共……。

 流石に頭に来たので、

「退学にならないように気をつけてねぇ~」

 と言って全力で手を振って見送る。


 さて、教室に戻っ……。


 教室のクラスメイト達がドン引きした顔で俺を見ていた。


 ……ですよねぇ~。









「お前! お馬鹿! お馬鹿! お馬鹿!」


 俺は今、庄平にチョップの連打を食らっている。


「くそぅ! 好き放題やりやがって。委員長助けて!」

 俺はどうしたものかとオロオロしている野和さんに救いの手を求める。


「コラッ! 巻き込むんじゃない!」


 庄平は更に威力を増したチョップを連打するので、俺は必死に防御する。


「まぁまぁ、ちょっと落ち着こうよ!」

 助けに入ってくれたのは坂江さんだった。


「私も確かにあれは危ないとは思ったけど、ナイス判断だとも思うよ?」


 坂江さんは俺の行動に対し評価をしてくれた。


「だけど、誰に喧嘩を売ったのか分かってんのか?」


「え? どういう事だ?」

 庄平の言葉に思わず疑問が浮かび聞き返してしまう。


「お前、もしかして知らなかったのか!?」


 俺の態度に驚きを隠せない様子の庄平は俺の両肩を掴んで焦った顔をする。


「え? え? えぇえ??」

 庄平の様子があまりにもおかしいので、坂江さん、野和さん、その他クラスメイトの順で顔を見ると、皆何かを知っているのか青い顔をしていたり引きつった笑いをしている。

 よっぽどヤバイ相手だったのか? あの不良女子共。


「あいつ等二人の彼氏は三年の有名な不良共だぞ!」


「ん?」

 案外予想内の事を言われて肩透かしを食らう。

 なんだ。ヤの付く家業とかテロリストの類の関係者とかじゃなかったのか……。

 だけど不良か……。舐めてかかると確かに痛い目に遭いそうだな。


「なに余裕そうな顔してんだ! あいつら、三田川さんを虐めていた主犯格だろ!?」


「えっ? 主犯格の女子って五人もいたっけ?」

 おや? もしかして原作と内容が異なっている?


「五人? いや、だからあいつら、有名な不良娘三人衆の内の二人だろ!」


「はっっっ!?」


 あいつらが三田川さんを虐めていた主犯格!?

 顔のグラフィックなんて用意されていなかったからわからなかった!!


「あいつらか! あの性病持ってそうな不良女子達って!」


「せ、性病!?」


 庄平がヤバイ奴を見る目で俺を見る。


「しゅ、駿……」


 野和さんが顔を真っ赤にして泣きそうになっている。


 クソぅ、てっきり三田川さんを虐めるモブの連中の一部かと思った……。

 なんで今日に限って二人で行動しているんだよ。あいつらいつも三人組だったじゃねぇか!


「助けて庄平!」


「ふざけんな!!」


 まぁ、助けを求めても駄目だよね。

 どうしよう。

 まさかあの不良少女二人にこんな後ろ盾があったなんて……。

 あいつらもうちょっと原作通りに行動しろよ!

 そして原作のゲームはもうちょっと特徴を捉えた描写を書けよ!


「分かったよ。一人でなんとかしてみるよ……」


 諦めておれ一人が犠牲になるか……。あぁ、早く現実世界に戻りたい。


「お前一人で出来るもんか! はぁ……くそっ。分かったよ。下校の時位はお前の家に一緒に帰ってやる。いいよな! みんな」


「「「お、おぅ」」」


 なんという事でしょう。

 意外と団結力が強いというか仲間思いな友人達なんだな。


 庄平以外の連中がなんとも乗り気じゃない気がするけど。



 そんな時である、




「駿はいるか?」




 全く知らない男子生徒が教室の外で俺の名前を呼んでいたのだ。

 また新しい登場人物かよ。

 いい加減覚えきれねぇよ!



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