第44話 コピペ
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―ゲーム世界 港―
このゲーム世界で唯一と言っても良い、民間が使用できる大きな港があった。
尾野家からかなり距離が離れてはいるが、決して直ぐにいけない距離ではない。
本来、この舞台はゲーム、『強襲転校生』の主人公である『神命 成一』が、ヒロインの一人『イリス=フリュード』を救出するイベントで使用するステージである。
更に細かく言えば、ここの港に停泊している全長250m級の貨物船がイベントステージである。
この貨物船は海外、主にアジア地域の各地を渡り歩き、輸出の他にも様々な商品を仕入れて日本に輸送することが目的である。
そう、様々な商品の中には犯罪に使われるものもあり、そして輸出する商品にはイリス=フリュードなど、誘拐された人間も入っている。
性的な目的の他にもスパイ教育等様々な用途で輸出される少女達の未来は暗い。
本部である街中のビルには約半数の誘拐犯組織メンバーが警察達と現在戦って居るのだが、港には、港の事務所に15人、船の中には30人の船員達が居る。
少々普通の貨物船より乗組員の人数が多いのは、現地取引等で活躍する護衛達である。
客先が特殊である為、直接値段の交渉や現地トラブルに対応するには、やはり人数が居た方が組織としては安心なのであった。
そんな違法組織を壊滅させたのは他でもない神命であったが、今回この世界では既に神命は尾野 駿の活躍によって塀の中である。
では、今回は誰がこの船員達を倒すのか。
それは、尾野 駿でも、警察でもない、新たな力。強大な力を持つ者達であった。
四隻の灰色の巨船が縦に並んで港へと近付いてきた。
その各船には船の名前と番号が書かれている。
一番先頭を航行する船の名は、
『DDG-177 あたご』
前方を航行するのは海上自衛隊のミサイル護衛艦。所謂イージス艦に部類される『あたご型護衛艦』の一番艦、『あたご』であった。
全長165mの巨船、いや、巨艦は悠々と港に向け、その優秀さを見せ付けている。
62口径5インチ単装砲、MK.45 5インチ砲を見せつけ、今まさに獲物を狩りに進んでいるのだ。
波をかき分けながら進む先には一隻の貨物船。
貨物船や護衛艦の周りには他の民間船は存在はしない。
理由は予め警察が通告し、他の民間人NPC達を退避させていたため。
民間人の退避は簡単に行うことが出来た。それは殆どの権限を乗っ取った尾野 駿救助者達、榊家や日本異世界召喚対策室の面々がそうなるようにプログラムを上書きしたからだ。
そして、今回主役となる護衛艦はこのあたごを含め、合計四隻存在する。
先頭を航行するあたごに続き、二隻目もその存在を見せつけていた。
『DDG-177-コピー あたご(2)』
排水量7750トンの巨艦は堂々と港に向け、その圧倒的な抑止力を見せ付けている。
高性能な20mm機関砲をキラリと光らせ、今まさに秩序を取り戻すべく航行する。
続いて三隻目。
『DDG-177-コピー -コピー あたご(3)』
最大速力30ノット以上の巨艦を轟々と港に向け波をかき分け、その力強さを見せ付けている。
2万5千馬力のガスタービンエンジンを唸らせ、今まさに悪漢達を成敗する意思を示して航行する。
最後に四隻目。
『DDG-177-コピー -コピー -コピー あたご(4)』
全幅21mの巨艦を正々と港に向け、その美しさを見せ付けている。
イージスシステムに連動した多数のミサイルを満載し、今まさに海の平和を取り戻す為に航行する。
四隻のあたご型イージスシステム搭載護衛艦。
日本異世界召喚対策室の技術により、この世界の宇宙空間に相当する場所へ人工衛星を出現させ、イージスシステムを完全に使用できるようになった護衛艦。
この護衛艦群の前であれば、並大抵の民間船では逃げ切ることは不可能である。
「ぐぎょろろろろ!?」
「あひぃぃぃぃんっ、あひぃぃぃぃぃんっ」
貨物船の船長はその護衛艦あたご達を発見し慌てた様子を見せる。
彼等も陸地の誘拐犯組織達と同様に魔物化が進んでいた。
言語能力は滅茶苦茶であるが意思疎通は出来るようで、互いの意見を必死に交わしていた。
船員達もなぜここに護衛艦が現れたのか理解できずにあたふたするばかりだ。
しかし彼らは、どこか自分達にはその力は向かないだろうと安心感があった。
自分達を捕まえに来るとすれば海上保安庁の船のはずだ。
彼等はそう高を括っていたのだ。
だが、
プシュー。
と、前方を航行していたあたごから発射された複数のミサイルが自分達の仲間が居るはずの事務所と倉庫に向け放たれた事で、認識は一変する。
ズドォォォオオオン!!!
直撃し吹き飛び、燃え盛る事務所と倉庫。
一瞬だった。
この攻撃により、事務所と倉庫で作業をしていた誘拐犯一味は全て死んだのだ。
それを理解した船長は、
「んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉおおお!!!」
貨物船の船長は直ぐに船内に居る部下達に指示を出す。
全員衝撃に備える為、各々動き出す。
「ごびゅ? ごびゅびゅ?」
「ティンプー。ティンティンプー」
「お"っお"っお"っ」
船員達は飛び上がり空中でグルグルと回転しながら縦横無尽に動き回り、興奮する。
そんな中、ついに護衛艦群からの攻撃が開始された。
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―護衛艦群旗艦あたご―
ここでは、このあたご達を指揮する司令官が無線機を持って、各艦に次なる指示を行おうとしていた。
「事務所、倉庫。破壊に成功しました。生存者ありません」
と、部下からの報告を聞き、司令官は満足そうに頷く。
先に飛ばしていたヘリコプター『SH-60J』からの生存者捜索により事務所や倉庫に居た誘拐犯達は生き残っていないだろうという判断が下されたのだ。
プログラムを上書きされた彼等には、現実世界の常識は捨てられている。
対象が民間人としてこの世界に存在していたとしても、怪物化した悪霊ならば攻撃することは厭わない。
現実世界でこのような事が起きたら大問題である。
そして、
「第一目標の破壊は完了した。次、全艦目標を前方貨物船を第二目標とし、艦砲射撃の狙いを定めろ」
そう司令官は指示を出す。
ちなみに第一目標は誘拐犯達が管理する港の事務所や倉庫である。
「あたご了解!」
『あたご(2)了解』
『あたご(3)了解』
『あたご(4)了解』
各あたごは、貨物船から見て横一列に並び、前方に備え付けられている62口径5インチ単装砲を貨物船へと向ける。
「うちぃ~かたぁ~はじめぇ」
「うちぃ~かたぁ~はじめぇ」
特徴的な号令にて放たれた砲弾は、真っ直ぐ貨物船へと向かい、着弾する。
ズドォォォン。
ズドォォォン。
ズドォォォン。
ズドォォォン。
全弾命中。
軍事目的や爆発の恐れがある為特殊合金で作られているタンカー等とは違い、ただの運搬目的で使用される貨物船は、簡単に船体に穴を開け、爆炎を上げる。
まずは貨物船の操作をする場所。ブリッジが標的になった。
「「「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」
砲弾の直撃を食らったブリッジに居た船長達は、汚い断末魔を上げながらバラバラになって散った。
いくら魔物の力を手にしたといえど、艦砲射撃を食らってしまえばひとたまりも無い。
次に船体の前方部分から徐々に砕け散っていく。
積荷にはまだ誘拐された女性達は入っていなかったので、違法な取引物資が宙を待った。
これだけでも大ダメージである。
しかしながら、当然護衛艦群は最初の一発だけをそれぞれ撃つわけではない。
ドンドンドンドン。
ドンドンドンドン。
ドンドンドンドン。
ドンドンドンドン。
毎分16~20発という驚異的な射出能力により、次から次へと連続してあたご達から攻撃が放たれた。
「んぼしゅるるるるるるぅぅぅ」
一方、ダメージを逃れた船員の中には、必死に抵抗しようとコンテナを艦群に向かって投げつける者も出てきたが、流石にコンテナの重さと距離があった事で次々と途中で海に落ちてしまう。
ズドォォォン。
だが、中には飛来する弾を空中で受け止める役割が出来たコンテナも存在した。
「んぼ?―――――ギョギャッ!」
それでも次々と放たれた砲弾全てを防ぎきれるわけは無く、抵抗していた船員も砲弾の直撃によって命を落とす。
「続いて全艦、対艦ミサイル発射せよ」
ある程度魔物やコンテナ等の障害物も排除できたと考えた司令官は、決着をつけるべくミサイル攻撃に踏み切る。
「あたご了解!」
『あたご(2)了解』
『あたご(3)了解』
『あたご(4)了解』
先ほどと同じく、各艦から了解の言葉が聞こえる。
その後、あたご達からミサイルの発射煙が噴出され、4発の90式艦対艦誘導弾が貨物船へと飛来した。
そして、ついに、
ズゴォォォォオオオオオン!!!!
計39発の砲弾と4発の90式艦対艦誘導弾を受けた貨物船は、燃料に引火して大爆発を起こす。
オレンジ色の光りを灯し、黒煙を空高くへと舞い上がらせる。
船や積荷の破片は海に散らばり、その中には焦げた人体の破片もあった。
誰も生きてはいないだろうと思われる。
だが、あたご達乗組員は気を緩めることはなかった。
「第二目標。損傷大」
「ゆっくりと沈没しています」
「生存者、現在のところ確認できず」
そう部下からの報告を聞き、しっかりと頷く司令官。
ゆっくりと沈み行く貨物船を見届けながら、あたご護衛艦群の司令官は任務の完遂を確信し、生存者の捜索を指示したのだ。
「全艦に告ぐ。生存者を確認し次第、射殺せよ――――」
と。
司令官達の瞳には、誰も逃すことはしないという執念が見られた。
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日本異世界召喚対策室 システム対応係
職員A「追加NPCデータの反映と警官の式神化完了……。もう忙しすぎて二日も寝ていない……」
職員B「次、これとこれお願い」
職員A「ひぇぇぇぇぇ」
職員C「これも追加でお願いしまーす。イージス艦追加でーす」
職員A「うわぁぁぁぁぁぁ、コピー&ペースト、コピー&ペースト、コピー&ペェェストォォォオオオ!!!」




