1話 [自己紹介]
1話 [自己紹介]
「『今日から最高学年!!
みんなと一緒に最後の思い出たくさん作るぞ〜♪』とか思ってた矢先に転校とかホントありえない!」
父の仕事の都合で保育園の頃から中3になる直前まで過ごしていたこの場所から離れることになった「鈴原みゆう」。
「みゆうー
お隣さんに挨拶行くから早く来なさーい!」
「わかってるよ!
今行くー」
ガチャ
ドアを開けて外に出ると、お隣の高橋さんと私の家族が向かい合って並んでいた。
「みゆう!
遅いぞ!」
「・・・・・ごめんなさい。」
「隣に引っ越して来た・・・・・」
『高橋さん家のお母さんとお父さんは美形だなぁ〜』
そんなことを考えていると父の話が終わって、自己紹介が私に回ってきていることに気付いた。
「みゆう!」(小声)
姉が肩を揺すってきていた。
「えっと、鈴原みゆうです。
中3です。
よろしくお願いします。」
「え!
うちの槙人と同じ学年ね♪」
『えっ!?
同じ学年の人いんの!?
最悪じゃん・・・・・』
「じゃぁ、次はこっちの自己紹介ですね。」
高橋さんのお父さんから順番に自己紹介をしてる。
『高橋さん家のお父さんは大学教授か・・・・・
お母さんは専業主婦っと・・・・・
次は3・・・・4兄弟か。』
長男の子は嫌な顔ひとつせずに言った。
「長男の高橋秋人です。
高1なりました。
よろしくお願いします。」
次男の子はめんどくさそうな顔で
「次男の高橋槙人です。
中3です。
よろしくお願いします。」
『あぁ、この人が槙人君・・・・
「○虫ペダル」みたいに槙ちゃんできるじゃんww
って次の子の番だわ』
三男の子は元気良く
「三男の高橋霧人です!
中2です!
よろしくお願いします!!」
末っ子はとにかく可愛かった
「末っ子のたかはちかいとです!
5さいです!
よろしくおねがいします!」