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プロローグ
鈍足進行
帝都の宿。部屋の窓から満月の光が覗き込む、ベッドの上で毛布に包まり時が来るのを待つ。
胸が一度高く鳴る。
来た。
声が漏れないように毛布に包まり直して歯を食い縛る。徐々に胸の高鳴りは早くなり、身体に変化が起きる。
頭が割れそうだ、体が軋む、手足は感覚が無いのに痛い、いたい、イタイ。
痛みに耐えられず声が口から漏れてしまう。
痛みに耐えて何秒、いや。何分、何時間経ったであろうか、痛みが徐々に和らぎ安堵からか眠気が襲ってきた。俺は睡魔に逆らえず寝た、もしくは気絶した。