表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

窒息エクスタシー

No.3


目の前の光景が嘘で塗り潰された絵画に見える。血の絵の具でグチャグチャになってしまってる。私はナイフを握り締め、ワインを飲んだ。彼にも飲ませてみたけど飲んでくれない。彼は死んでる。私が殺した。


彼とは丸2年付き合っていた。

彼の言葉、容姿、行動、全てが大好きで仕方なかった。

彼なしでは生きられなかった。

いつも私だけを見ていてくれた。でも彼の一つだけ嫌いな所があった。それはドラッグをやっていることだった。彼がドラッグをした後は彼じゃなくなる。いつも私をボコボコに殴りつけてきた。目は死んでいて、彼の拳が私の体全体を痛めつけた。でも私は我慢した。彼を愛していたから。彼なしでは生きていけなかったから。


その夜はいつものデートをしていて、彼がラブホに行きたいって言い出したから彼についていった。いつも通り彼と一つになれる儀式を終え、また帰りのキスをして明日を迎えるはずだった。でもこの日は違った。彼は部屋に入ると突然、私を突き飛ばしてきた。彼の目はドラッグをしている時の目より恐ろしい目をしていた。彼はナイフを取り出し私にこう言った。


「クスリが手に入らねぇ!これも全部お前のせいだ!殺してやる!」


まったく訳が分からない状況で私はどうすることも出来なかった。

私は本当に殺されると思い、手でナイフの刃を握った。

血がドバドバと流れだしたけど何故か痛くなかった。

とにかくこうしないと殺されるという気持ちがそうさせたのだろう。

彼はまだナイフを向け続けた。ナイフは私の手に容赦なく食い込んでいく。私は右足で彼の股間を蹴った。彼はその場でうずくまった。私は食い込んだナイフをとり、持ち手に手を変えた。そして彼の首を切りつけた。彼の首から吹き出す血が私の体を染めていく。それが何故か美しく見えた。そして彼は最後にこう呟いた。




この人殺し




そして彼は死んだ。

殺しちゃった。

私の大切な大切な存在を消しちゃった。

生きる意味を自分で消してしまった。

もうどうでもよくなった。

死んでもいいって思った。でも死ぬなら最後にしておきたい事があった。彼をこんな姿に変えたドラッグの売人を見つけ出し、そいつも殺してやる。私は急いで部屋を出た。ホテルの従業員のおばさんが私の姿を見て腰を抜かしていた。多分、もうすぐにポリにチクられるだろう。その前に売人を見つけ出し殺してやらなくちゃ。

No.1


「アンタすげぇ顔してるぜ。もうやめときなよ」


俺は男にそう言った。ヤクのやり過ぎで完全にキレちまってる。だが男は何度も俺にこう言った。


「俺はもう殴りたくない!あの子を傷つけたくないんだ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ