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0.とりあえず、乳はなし。

はじめまして。

不定期、超鈍足更新となりますが、完結まで頑張るつもりでいます。

末永くお付き合いいただけると幸いです。


舞台が女子校で主人公がアレなので〝ガールズラブ〟の注意がありますが、恋愛はノーマルです。むしろ王道です。

そのあたりを期待されても、違いますので。


では。

「そぉゆぅ訳なのぉ、ごめんなさいねぇ」

 神と名乗ったその巨乳様は、その見事な乳をたぷんたぷんと揺らしながら私に謝罪した。

 謝罪のあと説明された内容はどこの大間抜け様ですかと思わず問いたくなるようなもので、この巨乳様のその大間抜けな手違いで私は死んでしまったのだという。

 それも十二歳と若い身空で!

 中学高校大学と女子校に進んで巨乳のお友達をたっくさん作り、その巨乳を心行くまで女友達という特権を使って揉むという夢が! 将来は下着会社か高級デパートの下着売り場に勤め、フィッティングと称し公然と触りまくるという野望が! ぜんぶ、ぱぁ!

 どうして私が死んでしまったのか、その詳しい説明を受けたのだけど……親友になる予定だったという美少女のGカップの美乳を見た瞬間、全部ふっ飛んだ。正直どうでも良くなった。

 嗚呼、あれは私のものにはならないのねと、涙が止まらない。

「彼女の胸は貴女のものにはならないと思うのだけどぉ」

 巨乳様が何か言ってるよー。

 でもそんなのどうでもいいしぃ。

 親友の巨乳ぅ、きょぉおにゅぅうー。たゆんたゆんのもにゅんもにゅんがぁー。恥らう美少女の胸を揉むという、最高のイベントがぁー。

「あー、もぅ。わかったからぁ、黙ってぇ。お願いよぉ」

 今にも泣き出しそうな巨乳様の声に仕方なしに嘆くのを止めて、巨乳様を見上げる。

 もしかして心友(誤字にあらず)に代わって、巨乳様が胸を揉ませてくれるのだろうか。一緒にお風呂に入ってまた大きくなったんじゃなぁい?って、身体の洗いっこしよ?って揉み扱いてみたり。

 ……それも魅力的ではあるけどぉ、育てる楽しみってのもぉ。ねぇえ?

「あ、あたしの胸はぁ、遠慮してちょぉだい」

 別に見境なく揉むってわけじゃないってのに、巨乳様は引き攣った顔をして後退った。

 酷い。

 あなたのせいで私は彼女の胸を揉み育てるってことが出来なくなったのに。

 じとりと、そんな思いでその巨乳を睨んでみる。

 形がいいなぁ、張りもあるしぃ、たぷんたぷんだぁ。

 …………この人の手違いで死んだんだし、揉ませるくらいさせてくれるかなぁ。

「だっ、だからあたしの胸はやめてぇ。

 特別に転生の列に並ばないで転生させてあげるからぁ、あなたの望む環境に生まれ変わらせてあげるからぁ」

 なんだ、揉ませてくれないのね。残念だわ。揉み応えがありそうなのに。

 それで私の望む環境ってどこまで叶えてもらえるの?

 全寮制の女学校みたいなところで、同年代の乙女たちの胸を毎日揉むのが夢なのよ。巨乳であれば尚いいけど、微乳でも貧乳でも……まぁ、いいわ。育ててみせるから。

 で? どうなの?

「ま、任せてぇ」

 楽しみにしてるわ。

 あ、でも、転生していまの記憶が無くなっちゃったら、私の望む環境かどうかなんて分からないわよね。

「……あ、ばれ……」

 仕方ないわ、私としての記憶は持って行きましょう。

 ああ、いまの私の知識を転生した先の世界で悪用したりしないって誓うわ。それならいいでしょ?

「で、でもぉ」

 美乳を保つためのストレッチ法とか、下着の作り方だとか、食事療法だとかは別にいいわよね。別に大きく生活水準を変えたり、文明レベルを変えようってんじゃないから。ね?

 いいわよね?

 だって私、あなたのせいで死んだんだもの。

「……わかったわぁ。それじゃあ……」

 巨乳をたぷんたぷんと揺らしながら泣いて頷く巨乳様の言葉に、私はこれから生まれる先で出会う巨乳を思って……深い深い、眠りについた。

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