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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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9/9

聞き込み

電車に揺られながら多摩センターへ向かっていると、ポケットのスマホが震える。

画面を見ると、和政からの LIME だ。


和政『達也くん、ごめん。獄門について詳しい人の情報をゲットしたんだけど、その人、聖蹟桜ヶ丘駅の近くにいるみたいなんだ。だから聖蹟桜ヶ丘で待ち合わせに変更してもいい?』


達也『わかった。じゃあ到着10分くらい遅れるかも。』


和政『了解!(スタンプ)』


「あ、達也くん、こっち!」


改札を抜けると、和政が大きく手を振っているのが見えた。


「おう!」


駆け寄ると、和政は開口一番こう切り出した。


「獄門について詳しい人が、多摩川の河川敷の近くに住んでるって情報があったから、そこに行ってみよう!」


「ああ……。てか“住んでる”って、ホームレスってこと?」


「多分ね。」


「なるほど。」


まあ今は唯一の手掛かりだ。

探して話を聞く以外にない。


「大体いる場所に目星はついてるんだ。」


そうして、俺たちは河川敷へ向かった。

昼下がりの太陽は柔らかいが、河川敷の空気はどこか湿って重い。

ホームレスたちがブルーシートや段ボールでそれぞれの“家”をつくり、小さな集落のようになっている。


歩くほどに、自分の場違いさが肌に刺さる。


それでも、俺たちは一人一人声をかけて回った。


「このあたりで、“獄門”という言葉について詳しいホームレスの方がいるって聞いたんですけど……どなたか知りませんか?」


最初は怪訝な目で見られたり、黙って首を振られたり、煙たそうに手を払われたり。

けれど、根気よく聞き込みを続けていると――


45歳くらいの、日焼けした顔をした男性が、ふと何かを思い出したように顔を上げた。

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