父発見
そして、いよいよ光の門の目前に辿り着いた、その時だった。
「達也くん!」
和政の切羽詰まった声に、俺は思わず足を止める。
視線の先――
光の門を挟むように隆起した丘の上に、二つの影が立っていた。
心臓が、跳ね上がる。
そのうちの一つは――
間違いない。
「……父さん!」
叫ぶように名を呼ぶと、影はゆっくりとこちらを向いた。
「……達也か……?」
懐かしい声。
間違いなく、父の声だった。
だが――
次の瞬間、俺は言葉を失った。
「……と、父さん……?」
そこに立っていた父には、
あるはずのものが、なかった。
肩の先から、腕が消えている。
そして――
顔の中央にあるはずの、両目も。
「……父さん!? う、腕と……目が……」
震える声でそう言うと、父は少し困ったように笑った。
「ごめんな、達也。
父さんな……勝負に負けちまってさ。
それで、両腕と両目、なくなっちまった」
痛みを伴わないからだろうか、あまりにも軽い口調。
まるで、転んで擦りむいた程度のことのように。
「……なくなった、って……」
言葉が続かない。
理解が、追いつかない。
父は、確かに生きている。
声も、話し方も、記憶の中のままだ。
それなのに――
そこにあるはずのものが欠けているという事実が、
それを「父親」だと認識することを、
俺の心が必死に拒んでいた。




