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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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6/9

不安

俺はソファーに腰を落ち着けると、和政にLINEを送った。


『父さんと母さん、まだ帰ってきてないんだけど……大丈夫かな?』


送ってからわずか1〜2分で返信が届く。


『やっぱり。獄門に詳しい人で心当たりがあるんだ。明日、多摩センターの改札前で会えない?』


幸い、明日は日曜。学校も水泳もない。


『じゃあ明日の10時に多摩センターの改札前で!』


『了解!』


やりとりを終え、俺はスマホをソファーに放り出して横になった。


不安は山ほどあるのに、学校と部活の疲れが勝って、すぐに眠気が襲ってくる。


いつもなら、リビングで寝ていたら「風邪引くよ」と親が起こしてくれるのに――今日は、その声もない。



スマホを見ると、6:32。


外ではちょうど朝日が昇り、静まり返ったリビングに柔らかな光が差し込んでいた。


「う〜、さぶっ。」


近くにあった毛布を掴んで体に巻きつける。


結局、昨晩のうちに両親が帰ってくることはなかった。


胸の奥に残っていた小さな期待は、あっさり現実に砕かれた。


グ〜。


こんな状況でも腹は減るんだな、と自分に苦笑する。


そういえば晩飯も食べてなかった。


とりあえず空腹を抑えようと冷蔵庫を開ける。


卵とパンとチーズがあったので、卵かけご飯とピザトーストを適当に作ってかき込んだ。


仕上げに牛乳を飲んで、ようやく一息つく。


「……いや〜、マジでどうしよ。」


気づけば心の声が、そのまま独り言になって漏れていた。

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