59/67
ペナルティ
『決着』
『松の儀、勝者、堂安文』
郁美はさらに耳元を押さえ、震えるように呟く。
「え……?
“両手、両足、両目……そのどれかを選べ”?……」
意味を理解できないまま、言葉だけが零れ落ちる。
「郁美? どうしたの? 何があったの?」
桜が心配そうに呼びかける。
「な、なんかわかんないんだけど、負けた代償を
60秒以内に両腕、両足、両目から選べって声が・・・」
「え? どういうこと?」
桜が戸惑う。
代償……? 負けた人のペナルティーってことか?
俺はすぐに最悪の結論に辿り着いた。
代償ということは、選んだ体の部分が使えなくなる可能性が高い。
それも両腕、両足、両目というのは、どれもなくなれば致命的だ。
それに、どのような形でなくなるかもわからない。
どうすればいいんだ……時間がない……
その時、和政が俺の手を掴んだ。
「達也くん……両腕だよ」
「えっ……」
「脱出を考えると、両足は使えないときついし、
両目を失うと、この後の戦いに支障が出る……」
俺は、さらに混乱した。




