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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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復讐

「私はね……

 あの夜、あんたに復讐する方法を探して、

 ネットを片っ端から漁ったのよ」


文ちゃんは薄く笑い、

楽しそうに肩を揺らした。


「そしたら見つけたの。

 “人の呪い方”なんて、

 いかにも胡散臭いサイトをね」


「……正直、

 最初は冗談だと思ってたわ」


次の瞬間、

彼女は堪えきれないように

高く笑い声をあげる。


「アハハハハハ!」


「でもさ、

 まさか本当に

 成功するなんて思わないでしょ?」


一歩、こちらへ踏み出し、

視線を突き刺すように向けてくる。


「――ここで、

 あんたを

 地獄に突き落としてあげる」


そして急に、

思い出話をするみたいな

軽い口調になった。


「あんた、そういえば

 トランプのスピード苦手だったよね?」


「動きがいちいち遅くてさ。

 いつも私が勝ってたでしょ」


唇の端を吊り上げ、

楽しそうに告げる。


「だからそれで勝負よ」


「……えっ?」


郁美は状況が飲み込めず、

戸惑ったように視線を彷徨わせていた。


だが次の瞬間、

はっとしたように

両耳を押さえる。


「……ま、また……

 声が、聞こえる……」


『松の儀、スピード』


今度は俺たちにも、

はっきりと

その声が聞こえた。


怯えと困惑が混じった

その言葉が落ちた瞬間――

空気が歪んだ。


唐突に、

郁美と文の間の虚空に、

トランプの束が

ふわりと浮かび上がる。


誰の手も触れていないのに、

カードはひとりでに

弾けるように広がり、


赤いカードは郁美の前へ、

黒いカードは文の前へと、

正確に振り分けられていった。


「な……に、これ……」


言葉を失う郁美をよそに、

文が歪んだ笑みを浮かべる。


『――はじめ』


その瞬間、

勝負は

強制的に始まっていた。

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