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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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料理

モニターを見ると、

桜と郁美が両手いっぱいに何かを引っ提げて、立っている。


『早く出てきて、手伝いなさい!』

『お、おお』


俺はすぐに玄関を開けて、二人の元に向かう。


すると、すぐに桜は

大きな二つの袋を「はい」と俺に渡してきた。


一人の女の子が持つには、

結構な重さだ。


郁美も小さな小袋を二つ持っており、

それをあくせく必死に

ここまで運んできた様子が伝わってくる。


俺は郁美の小袋二つも受け取り、

家の中へと二人を案内した。


「へ〜案外綺麗にしてるのね。

あんたの事だから、

てっきりゴミ屋敷にでも

なってるかと思ったわ」


俺は、先ほど別の部屋に移動した

ゴミ袋のことを思い出しながら、

「まあな」と言ってやり過ごす。


「……まあ、いいわ。

食材を冷蔵庫に入れてしまいましょう。

冷蔵庫、開けてもいいわよね?」


「ああ」


すると二人は、

エプロンを身につけ始めた。


桜は名前の通り、

桜の花びらが散りばめられた

ピンク色のエプロンで、


郁美は水色を基調にした、

大小の玉模様が並ぶエプロンだ。


思わず、顔が赤くなる。


俺は桜たちとは反対方向を向き、

何とか表情を気取られないようにする。


桜がこちらをチラリと見たような気がしたが、

気のせいと思うことにした。


それから一見、

料理は順調に進んでいるように思われた。


だが――。


「えっ……あ、やばい……!」


桜がボウルを覗き込んで固まった。


「……桜ちゃん、

それ砂糖じゃなくて塩だよ」


「えぇぇぇぇぇ!!?」


さっきまでの勢いはどこへやら、

桜は慌てて味見して青ざめた。


その後もドジは連発。


玉ねぎを切れば

盛大に目に染みて涙が止まらず、


フライパンを温めれば

強火にしすぎて煙が上がり、


レシピ本を見ようとしたら

本を味噌汁の中に

落としそうになる始末。


「だ、大丈夫か?」


思わず声をかけるが、


「だ、大丈夫よ!

あほ也は座ってなさい!」


と一蹴されたので、

ソワソワしながらも

座っていることにした。

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