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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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4/10

和政の話

そこまで一気に話し終えると、和政は区切りをつけるように、ゆっくりとミルクティーを口へ運んだ。


「……ホラー映画?

いや、受け入れられない。頭が追いつかない。

さっきの体験が現実だった以上、和政の話が嘘とも思えないのが余計に……」


俺はこめかみを押さえ、深いため息をつく。


「まあ、そうだよね。

僕だって、ついさっきまで小6のときの出来事なんて“悪い夢”だと思い込んでた。

でも……違った。」


和政は、先ほど見た光景を反芻するかのように瞳を大きく見開いた。


「で、その優磨ってやつ……結局どうなったんだ?」


俺は深呼吸をひとつ置き、和政の問いに答えた。


「ぼ、僕も、実は詳しくはわからないんだ。

獄門に入ったあとで優磨とはぐれちゃって……

とにかく一人で、遠くに見えた“光のある丘”を目指して歩いたんだ。


そして気づいたら、多摩センターの駅ビルの下――

さっき僕らがいた場所に、いきなり出てきたの。


で、目の前に八十歳くらいのおじいさんが立ってて、

僕を見た瞬間、ギョッと目をむいてね。


そのまま『獄門から災いがやってきた!』って叫びながら走って逃げちゃった。

僕はもう訳がわからなくて……

でも、とりあえず家に帰らなきゃと思って、その日はそのまま帰ったんだ。」


語り終えると、和政は神妙な表情で再びミルクティーを口に運んだ。


「それでこの話には、まだ続きがあって……」


言いかけた時、カフェの店員がそっと近づいてきた。


「お客様、当店はまもなく閉店のお時間となります。

お帰りのご準備をお願いします。」


気づけば、時計の針はすでに22:00を指そうとしていた。

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