朝のホームルーム
朝のホームルームが始まる前に、
スマホの着信音が鳴った。
桜:
『今日の放課後、
4時に校門前で。』
俺は、
本当に何かをやってしまったのだろうか。
そのメッセージの上を見ると――
桜:
『今日は、本当にありがとう。
あの時、車に引きずり込まれそうになって……
パッて達也の姿が見えた瞬間、
“やっぱり来てくれた”って思っちゃった。
なんか、変だよね。
郁美もすごく感謝してたよ。
今度ちゃんとお礼がしたいって。
もしよかったら、
明日の放課後……会えないかな?』
……こんなメッセージ、
受け取っただろうか。
ダメだ。
最近、疲れて記憶があやふやだ。
いよいよ本当に、
何かの病気かもしれない。
さらに、
和政からのメッセージが来ていることにも気づいた。
午前三時ごろに、
届いている。
和政:
『昨日のこと、覚えてる?』
俺はそこで、
ふと考えてから、
『ホームレスの話のこと?』
と短く返し、
スマホの電源を切った。
それからは、
いつも通り授業を受けていたが、
廊下などを歩くたびに、
他の生徒の、
コソコソとした嫌な気配を感じた。
例の噂のことだろう。
全く、
こんな悪質なことをするのは誰だよ、
と思いながら、
きっと、
あいつしかいないと、
目星はつけていた。
それはズバリ、
当の本人――桜だ。
以前から、
俺に対しての当たりはきつかったが、
ついにデマまで吹聴するようになったとは。
これは放課後に、
本格的に言ってやる必要があるな。
俺の今後の学生人生が、
掛かっていると言っても、
過言ではない。




