翌日
画面がクッションに沈み込む軽い音が、
やけに遠く感じる。
頭がぐちゃぐちゃだ。
考えることが多すぎて、
もう何一つ整理できない。
そのまま足を引きずるように脱衣所へ向かい、
蛇口をひねると、
浴室に湯気がゆっくりひろがった。
熱いシャワーを浴びれば、
少しは今日のことを流せる気がした。
けれど、
湯気の中でぼーっとしていても、
脳裏にはさっきの出来事がちらついて離れない。
「……もういいや」
タオルでざっと身体を拭き、
俺は寝室に向かってフラフラ歩く。
ベッドに倒れ込むと、
マットレスが沈み込む感触が妙に心地よかった。
今日はもう何もしたくない。
俺はただ、
目を閉じて全部から逃げるように眠りについた。
朝、目を覚ますと、
いつもと同じ天井がまず目に入った。
そして、
次にやってきたのは左手の痛みだった。
「痛った!……何で俺、怪我してんだ?」
左手に巻かれた包帯を見つめて、
そんなことを呟く。
身に覚えのない怪我に困惑しつつ、
学校に行くための準備をしなければならないと思い、
起き上がる。
それから顔を洗い、
朝ごはんを食べる、
いつものルーティンを繰り返し、
家を出る準備を始める。
テレビをつけると、
朝の情報番組の軽快な音楽が、
リビングに流れ込んだ。
爽やかな笑顔のキャスターが、
ボードを指しながら、
声を弾ませている。




