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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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27/67

心配

やっっっべえええええ!!

俺、今……何してんだ!?


桜の柔らかい髪の感触が指先に残っていて、

頭の中が一気に真っ白になる。

懐かしい光景が勝手に脳裏に蘇った。


昔、今ほど気まずくなる前。

桜が転んで泣けば、俺はこうして頭をよしよし撫でて、

「ほら、泣くなよ」なんて言って――

桜も恥ずかしそうに笑いながら、

俺の袖をちょんって掴んでいた。


……でも、それはあくまで“昔の話”だ。


今の俺たちは、そんな距離感じゃない。

なのに俺は何してんだ!!

これ今やったら完全アウトだろ!?

テレビで見たぞ、こういうの普通にセクハラ案件って!!


心臓はバクバク鳴りっぱなし、

しかも俺の手はまだ桜の頭の上でフリーズしたまま。


終わった……

これこそ真の現行犯逮捕だ……

うわああああ!


そんな絶望が脳内を駆け巡った、その0.2秒後。


……あれ?


桜は全く嫌がっていない。

むしろ、ほんのり頬が赤く見える。


俺はドキドキを悟られないように、そっと手を離し、

慌てて話題を強制的に方向転換した。


「そ、そういえば……お友達は大丈夫か?」


桜はわずかに名残惜しそうにしながら、

郁美の方へ視線を向ける。


郁美は肩を縮こまらせ、

指先をいじりながらモジモジと答えた。


「……だ、だいじょうぶ……です……」


かすれた声は本当に小さくて、

怯えた子ウサギみたいに見えた。

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