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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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23/67

危機

ザッ、と草を踏む音。


次の瞬間、男がナイフを閃かせ、

一直線に俺の首へ突き出してきた。


「っ!」


反射的に左腕を前へ。


刃が腕をかすめ、

熱い痛みが弾ける。


それでも止まれない。

血のにじむ腕でナイフを受け止めたまま、

男の手首を掴み取る。


「離せやッ!」


怒号と同時に、男が全身でぶつかってくる。


俺たちは絡み合ったまま草の上を転げ、

湿った土の冷たさが背中に刺さった。


気づくと俺が下、男が上。


逆光になった男の影が覆いかぶさり、

月光を受けたナイフが

俺の目の前でぎらりと揺れた。


「くっ……!」


必死に両手で押し返す。


だが男は体重すべてを腕に乗せ、

刃はじわじわと喉元へ沈むように迫ってくる。


川の流れがざわざわと耳元をかすめ、

鼓動の速さがそれに重なる。


呼吸がうまくできない。


草と土の匂い、

そして鉄のような匂いが混じり、

頭がぐらついた。


その時——。


ドスッ。


「ぐっ……!」


男の膝が腹に突き刺さるように押し込まれ、

内側から押しつぶされるような衝撃が走った。


息が漏れた瞬間、

腕の力がわずかに緩み、

刃先がさらに俺の喉へ迫る。


男の荒い息が顔にかかった。


川風の冷たさとは正反対の、

生々しく湿った呼気。


「死ねぇ!!」


叫びとともに、

ナイフが一気に加速した。

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