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獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: P


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20/67

男と対峙

男の手には、鈍く光るサバイバルナイフが握られていた。

その一瞬で頭が真っ白になり、思わず距離をとる。


「あっ……! け、警察、もうすぐ来ますから……!

今のうちに逃げた方がいいですよ!」


震える声を無理やり押さえ込みながら、必死に言葉を続けた。


「これ以上、罪を重ねないでください……。

今ならまだ間に合います。

俺たちも……今日のことは黙ってますから」


もちろん嘘だ。

後で全部、警察に説明するつもりだ。

でも今は——

刃物を持つこの男を少しでも落ち着かせて、桜たちを無事に救うことが最優先だった。


だが男は慌てる様子もなく、ゆっくりと腕時計を見た。


「……十九時か」


そのわずかな隙。

バンの中から、桜と、その友達の郁美が姿を見せた。


郁美は手足をロープで縛られていて、桜に支えられながら歩いている。

足元がふらついていて、かなり消耗しているのが分かった。


俺は円を描くようにゆっくり動きながら、少しずつ桜たちに近づく。


男はナイフを下げたまま、低い声で言った。


「お前……本当に警察呼んだのか?」


心臓が跳ね、思わず体が強張る。


「は、はい。ここに来る前に友達に頼んだんで……

だからもう来るはずです」


「へぇ……」


男は薄く笑った。


「叫び声がしてから、お前らが来るまで数十秒。

そんな短い間に友達に連絡して、警察を呼ばせる余裕があったようには見えねぇな。

それに……叫び声ひとつで即通報なんて、普通のやつが咄嗟にできるもんか?」


言葉を返そうとした瞬間、喉がつまったように声が出なくなる。

図星を刺されたような圧に、何も言えなくなってしまった。

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