悲鳴
そして光の門をくぐり抜けたとき、
またあの薄気味悪い声が頭の中でささやいた。
『貴様に呪痕を授ける。貴様の“正の呪痕”は――』
――その続きが聞こえる前に、俺たちは現実へ引き戻された。
けんさんの話を聞いていたときだ。
いきなり、遠くで女性の悲鳴が響いた。
「キャアーーー!!」
俺と和政は同時にそっちを向く。
「もしかして……」
和政が小さくつぶやく。
「和政、行こう。さすがに無視はできない。」
様子だけ見て、本当にヤバかったら警察を呼べばいい。
そう判断して、俺たちは駆け足で河川敷へ向かった。
草むらの陰に白いバンが一台。
後ろの扉が少しだけ開いていて、中で誰かともみ合っているのが見えた。
「やめて……変態……だれか……助けて……!」
か細い声が風に乗って届く。
近づいた瞬間、俺は息をのんだ。
そこでもがいていたのは――桜だった。
「あ……え? 桜?」
「達也……? お願い……助けて……!」
普段は強気で明るい桜が、今は必死に縋るような目で俺を見ていた。
頭で考えるより先に、体が動いた。
「おらぁ!! てめぇ何してんだ!」
俺はバンの扉に手をかけ、力任せにこじ開けると、
中の男をそのまま引きずり出した。
――その瞬間、




