老人との出会い
「僕も、たぶんそうなんじゃないかって思ってる。」
和政は静かに頷いた。
「でもさ、もし犯人が優磨だとして……捕まえるの難しくないか?
毎回みんな忘れるんだろ? 被害者まで忘れるなら、被害届なんて出しようがないし。」
「うん……。だから余計に厄介なんだよね。」
「とりあえず、その辺のこともまとめて、けんさんって人に聞くしかないな。」
「そうだね。そこに答えがあるかもしれない。」
俺たちはそれ以上深掘りせず、スマホをいじったり他愛ない話をしたりして、時間を潰すことにした。
***
17時になり、会計を済ませて外に出る。
再び河川敷へ向かって歩き出す頃には、もう夕方の光は薄く、空気にひんやりした気配が混じっていた。
河川敷に到着したのは17時半。
昼とは違い、風も少し強くなり、河原全体がどこか不気味に静まり返っている。
俺たちは昼間に会ったホームレスの段ボールハウスに向かった。
「お、来たな、にいちゃん達。」
男は昼よりもさらに酔いが回っているようで、周りにはレモン酎ハイの空き缶が転がっていた。
「あ、どうも。あの、けんさんはどこに?」
「おうおう。ついてきな。」
男はレモン酎ハイの缶をぶら下げたまま立ち上がり、ふらふらと先導する。
河川敷の奥、段ボールが密集して作られた“集落”の端に、背丈160センチほどの小柄な老人が、丸まった背中で胡座をかいていた。
「けんさん、おまえさんに話があるって人が来たぞ。」
そう声をかけられた老人は、何やら小声でブツブツ呟いていた。
「まだ……呪いは……別の……誰かが……ひょえっ!?
な、な、な、なんじゃ!?」




