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翌朝、髪の寝癖が凄い。鏡はないけど、自分に見える両肩あたりの髪がいろんな方向にはねている。髪の色は紺色に見える。こっちの世界仕様だもんね。黒じゃないところ。


誰とも会わないから、髪がはねていてもいいんだけど、石鹸で洗っているので、少しぎしぎしする。

そろそろシャンプーリンスを作ろうか。たぶん呼んでも出てこないような気がする。けど、念のため一度は呼んでみようか。

「出でよ、器に入ったシャンプー。リンス。各1個」

髪を洗うもの、髪を保護するものというイメージで強く持ってみる。


出てきたのは、昨日の呼び出しした石鹸と同じものが1個だけだ。そうか。やっぱりこの世界で髪を洗うのはまだ石鹸なんだ。

木のベッドから文化レベルを想像はしていたけど、魔石のコンロとかあるし、よくわからないんだよね。この世界。


まぁとりあえず、自分が使う分だし、昔。母と行ったことのあるカルチャー教室の手作りシャンプー作ってみよう。

子ども教室だったので、簡単シャンプーだけど、石鹸をクリーム状に溶かして、蜂蜜やグリセリン、精油をいれて出来上がりというものだった。

そうだ。できるだけ失敗しない方法があるかも。

『錬金術取得』

グリセリンは錬金術で生み出してみよう。

「出でよ、コップに入った大豆油」

これは来たね。大豆油あるんだ。豆があったら絞るぐらいなら大丈夫か。

【錬金:グリセリン】

コップの大豆油が変わった。油っぽくなくなった。たぶんこれがグリセリンのはず。鑑定してみよう。

・・・・・・・

グリセリン

保湿作用が強い。

シャンプー、化粧水、石鹸等の材料

・・・・・・・

良し。うまくいったね。錬金術も異世界あるあるの憧れ。いつかポーションとか作ってみたい。

でも、まずは生活の質の向上から。

精油はどうしよう。まだ子どもだし、ミントぐらいにしておこうか。薄荷油好きだったんだよね。

「出でよ。清涼感のある香りメントールを含みで繁殖力の強い日本のミントっぽいもの一束」

ばさっとミントっぽい葉っぱが出てくる。いい香り。

こっちの世界にもミントっぽいものはあるんだな。日本産と見分けがつかないぐらいのミントやね。

鑑定したら抜いても抜いてもすぐに生えてくるからジャマという名前だと出てきた。こっちの世界でジャマ者扱いされているんだろうか。


次に、

「出でよ、コップに入ったアルコール度90~95パーセントのもの1リットル」

アルコールは念じたら素直に出てきた。これならお酒とかも普通に呼べそうだな。まだ子どもだから料理に使う分ぐらいになりそうだけど。

これで材料がそろったので、シャンプー作ってみようか。全部並べて、

【錬金:シャンプー】

全部の材料がぴかっと光って消えたと思ったら、さっきまでグリセリンの入っていた木のコップの液体が乳白色に色が変わった。ミントの香りもする。これで出来上がりかな。

リンスはお酢を薄めてすすぐんだよね。

お酢は太古から作られていたって本で読んだことがある。これはいけるかも。

「出でよ。入れ物に入ったお酢200cc」

木のコップにお酢が入って出てきた。匂いからしてお酢だね。存在していた。やった。

後、お湯に薄めるのであれば、洗面器がいるよねー。

「出でよ。洗面器1個」

あ、昔っぽい何かの金属の洗面器が出てきた。

お貴族様のお嬢様が使いそうだ。この世界の存在しているものだからなんでもいいか。

後はタオル。昨日お風呂に入る時にタオルを呼んだけど、タオルっぽい何か、タオルなんだけど惜しい!という感じのものだった。タオルも錬金術で造れるのか?こっちの世界なんでもやってみよう。

「出でよ。タオル3枚」

ばさばさと昨日と同じ惜しいタオルが3枚出てきた。ふわっとしていないぺたんこのものだ。これが材料。

【錬金:ふわふわのタオル】

日本で使っていた。タオルを強く想う。

材料の3枚のタオルがぴかっと光ったら、やったー。ふわふわのタオルに変換されたようだ。良し。良し。考え方は間違っていなかった。


じゃ、次お試しだ。

「出でよ。タオル1枚」

ばさっと出てきたのは、さっき作ったふわふわの方だ。錬金術で造っても、こっちの技術力で造ったことになっている。良し。

これで快適なお風呂暮らしができるね。


全部お風呂場に持っていく。

お風呂場はタイルの壁とタイルの床に子どもでも入りやすいやや埋め込まれた浴槽に、魔石でお湯がでる蛇口がある。そこにシャンプーとリンスと置ける台が欲しい。

『加工魔法取得』

材料のタイルやモルタルもどき等を呼び寄せる。

ということで、ここらへんにいい感じの棚を加工魔法でえいっと。

出来た。ふふん。出来たね。タイルの棚。やってみるもんだね。

加工魔法は物を造るものって思い込んでそういう魔法だとしたので融通が利きそうだ。

余った材料は収納魔法にしまっておく。


この棚に、木のコップに入ったシャンプー(石鹸を溶かしたもの)とお酢を置く。使う時にこぼさないように気をつけないと。蓋つきの入れ物も追々に考えよう。

お風呂場を出たところには木の棚があったので、そこにはふわふわのタオルを置く。


あ、バスマット欲しい。

バスマットは以前手作りしたことがある。

もしかして、わたしが作ったものもこの世界の技術力に入るのであれば、以前作ったものも、実はきちんと願い想えば、素材さえこの世界のものであれば、呼び出すことも可能なんじゃない?

やってみよう。


以前作ったことのあるバスマット。なんてことの無い古いバスタオルをミシンで縫っただけのもの。

「出でよ。わたしが昔作ったことがあるバスマットに似たもの1枚」

出たねー。バスマット。縫い目がミシンではなく、手縫いっぽい感じだけど、さっきふわふわタオルを造ったからかもしれないけど、以前手作りしたバスマットに寄せてきたものが出てきた。

強く詳細まで想えば、出来る限りこの世界の素材と技術力で寄せてくれるというのがわかってきた。どれだけ思い出せるのかにもよるのかもしれない。

「ステータス」

********

マヤ

8歳

無職


HP 50

MP 3799888


創造魔法

言語翻訳魔法

鑑定魔法

召喚魔法

生活魔法

複製魔法

収納魔法

錬金術

加工魔法


スキル

界渡り

裁縫

********

んー。タオル造って、シャンプー造って、材料いろいろ呼び寄せて、棚を造ってMPは112か。そんなものなら。あまり遠慮せずに使えるね。あ、スキルは創造していないのに、ワンピース作ったからか、裁縫が生えている。こういうのもあるんだ。この世界。面白い。ゲームの世界のようだ。


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