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もちろん、日々紙芝居だけにかかりっきりになっていたわけじゃない。


今日はサーラとエリンと三人で街のカフェにお茶しに来ている。

エリンもわたしも箱入り娘で常識がわからないので、サーラの話は参考になる。

サーラは興奮すると話が脱線してお金儲けの話になってしまうのはご愛敬である。


今日もサーラとエリンは二人で読んだ本の感想をきゃあきゃあ話している。

サーラは本当に物語にはまった。女神様が降臨する女の子が頑張るお話、竜の住む星で庶民として育った王女様のお話も全部読んだそうだ。物語も何もなかったところからそれだけ読めたのは才能がある。まぁサーラ曰く面白いだけではなく、これはお金になるって叫んでいたけど。写本はどうぞと伝えてある。


ようやくお茶が出てきて、甘味が出てくる。

砂糖があまり出回っていないからこういうところの甘味はカボチャとか芋とか小麦粉にバターと塩とかそんな材料だったりする。するとエリンがつぶやく。

「マヤの作ってくれるお菓子の方が美味しいね。」

「エリン、それ教えて。」

「えっとね、甘くてほろほろさくさくしていたら、ぷるぷるしていてほろにがかったり、しっとりぎゅーっと旨味が詰まっていたりするの。」

クッキーにプリンにチーズケーキだね。


サーラがこっちを凝視する。

「マヤ、わたしたち友達だよね。」

ええ。わかっていますよ。サーラ睨まないで~。


そのままうちの家までサーラがついてきた。これはお金の匂いがするから離れん!っていう感じなんだろうね。行動目的がわかりやすくて笑える。


家に着いたら、マーサに頼んでサーラにクッキーを出してもらう。

「え、何?これ。お菓子?え。くっき?美味しい。甘い。水飴とは違う。」

ぶつぶつつぶやくサーラの横でエリンがこれはいつも美味しいねって安定稼働だ。


「ねえ、マヤ、これ砂糖使っているよね。砂糖はお貴族様の家ぐらいしか出回っていない。もしマヤが砂糖を作ることが可能なら、献上案件だよ。」


えー。また献上―??


「マヤは無知だから言っておくけど、砂糖の作り方はうちの国は持っていなくて、全部隣の国から輸入やねんで。輸入された少ない砂糖もほぼお貴族様がお買い上げで、うちの商会にもほとんど入ってきてないん。ここで砂糖を使ったお菓子たくさん作ってますっていうのは危ないんやで!」


うわーそうなんだ。知らなかった。砂糖は少ないとは聞いていたけど、全部輸入か。お貴族様が買占めか。高くて少ないわけがわかったし、献上の件もわかったわ。

うーん。どうしよ。甜菜を献上するか。甜菜が庭に植わっていて、レシピが残っていましたっていう感じで逃げるか。


「サーラ忠告ありがとう。モーリさんに相談するわ。」

「うん、お父さんなら大丈夫。すぐにマヤの家に行くように帰ったら伝えておくね。で、このくっき?お土産に持って帰っていい?お父さんに相談する前にどんなものか食べさせないといけないし。お母さんが知らんまに話が進めば怖いし…。」


最後の方は小さい声だったけど、サマンサ先生にはぜひぜひ食べて貰ってください。

サーラ専用になったマジックバッグにクッキーを詰める。

ご機嫌で帰っていったサーラを見送り、砂糖製造過程に至るところをちょこっと偽造開始しなくては。


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