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後日、モーリさんがうちにやってきた。
え、サーラのお父さん、サマンサ先生の旦那様ってモーリさんでしたか。
ちょっとびっくり。
それでもとサーラ達と同じように工房までご案内すると、ポーションとマジックバッグの棚で鑑定しまくりだった。
やっぱり親子なんだな、サーラが鑑定している姿に似ている。
「マヤさん、この初級ポーション鑑定したら、マヤさんの手作りってなっていて、普通に売っているものとレシピが違うけど、登録はしてる?」
「あーしてないです。ただ美味しいポーション自分用に作りたかっただけなので。」
そうか、モーリさんの鑑定は誰が作ったかレシピまでもわかるんだ。マジックバッグの凄いのは迷宮品って偽造しておいて良かった。
馬車1台分ぐらいはわたしが作ったままになっているけど。それぐらいは作れる人いるみたいだし。
「マヤさん、この初級ポーションは1週間でどのぐらい作ることができますか?」
「材料があれば100個ぐらいかな。」
本当は複製すれば1個1分かからないんだけど、召喚魔法であれば一発で呼べるんだけど働きすぎ禁止だよねー。
「材料は全部用意するからとりあえず1か月だけお願いしたい。
その後はマヤさんのレシピでポーションを作ってくれる錬金術師を見つけるから。マヤさんはまだ子ども、こんなお願いをするのは申し訳ないけれど、これを見てしまったら、冒険者のために早めに売ってあげたくて。」
「いいですよ。1か月間の間、1週間に100個承りました~。」
「材料は冒険者ギルドに依頼しておきます。店のものに配達させますね。」
「あと、マジックバッグだけど、時間停止機能有の庶民の1部屋の4000個分収納のものを分割で購入したい。金額はこんな感じで20回分割でどうだろう。」
「いやいやいや多すぎです。高すぎです。この1回分でいいです。」
「1回分じゃ、馬車5台分と変わらないからダメだよ。それじゃ安すぎる。」
「じゃ、エリンとわたしが困った時に助けて下さい。小さいサイズのマジックバッグはわたしの手作りで可愛い巾着やポーチで台車1台分ぐらいのが多いんです。可愛いから売って欲しいです。後、付与のついた装飾品ってどうしたいいかわからないし。わたし、付与魔法と錬金術と空間魔法と時間魔法に鑑定が使えるんです。」
嘘はついていない。他にもっといろいろ使えるだけで。
「付与魔法と錬金術と空間魔法と時間魔法か、それだけ使えて後ろ盾がないというのは確かに不安ですね。わかりました。モーリ商会がマヤさんの後ろ盾になりましょう。」
「ありがとうございます。モーリさん。」
この日、モーリさんともセバスの契約魔法で契約を締結した。
ポーションとマジックバッグを売ること、わたしたちのことを守ってくれること。
ほんとありがとうございます。




