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師弟爆誕

男の名前はファルトと言うらしい。

助けて貰って火の届かない場所に移動してから教えてくれた。

「しかし坊主幸いだったな」

ファルトが言うには俺は生命維持の魔法式の刻まれたベッドにいたらしく、つまるところ植物状態からたまたま目が覚めたところだったようだ。


(なるほど)

植物状態で人格の死んだ体に俺の魂が入り込み転生できたというわけだ。

目を覚ました村は火事でほぼ全滅で体の持ち主の両親については何一つ分からなかった。


ただ、転生者とはバレてないので記憶喪失の心配をされた俺は色々と教えて貰った。


ここはガストリア大陸、中央大国【コーネリア】にある一地方らしい。

ファルトは転生系では引く手数多な、いわゆるエルフだ!

(くぅう、、どうせなら女エルフが良かったぜ‼︎)


「そう言えば坊主、名前は思い出せるか?」

名前を聞かれた俺はなんて答えるか迷った。

まさか前世での名前【横井 隆一】を名乗るわけにも行かないので困っているとファルトが口を開いた。


「思い出せないならアニスってのはどうだぁ?」


何でも目覚めと言う意味の言葉と火という言葉を組み合わせたものらしい。

だいぶ安直だと思うがなぜか気に入った。


「で、アニスはどうするんだ?」


確かに、俺は今何も知らない土地で誰の援助も受けられず放り出されたわけだ。間違いなくこのままでは野垂れ死ぬな。


だが、今世の俺は死ぬ気は全くない‼︎

なんせ今、目の前に広がるのは俺が夢にまで見た

ベタのベタのベタのベタ中のベタな異世界‼︎


俺はこの世界で理想のなろう主人公となってみせる‼︎

ベタで何が悪い‼︎シンプル・イズ・ザ・ベスト


「ファルト、いやファルト先生‼︎俺を弟子にしてください‼︎」


ーーー俺はファルト先生の弟子となったーーーー


先生はだよなぁと言った感じの反応をし、旅への同行を許可してくれた。身寄りのない子供の俺(32歳)に同情してくれたのだろう。

ファルト先生は各地を旅しながら絵を描いてる魔法使いでまさしく冒険者といった感じだ。


最初は気づかなかったが先生は眼帯に加え、片耳を失っていてそれとなく聞いてみたところ

「昔ダークソーサラーと戦った時に無くした」とだけ言われた。ダークソーサラーは簡単に言えば悪い魔導士的なものらしい。


先生と俺は村から1番近い地方大都市【ルーメ】へと向かうことになった。

道中冒険者としてのサバイバル技術を教えてもらい、俺は感動した。

何せ全てがゲームやアニメで見るような事ばかりなのだ。獣を狩り、焚き火で焼いて食べ、水源で水をくみ、森で寝る。


初めてのことに胸を躍らせながら旅をすること3週間、地方都市ルーメへたどり着いた。


どこかのドラゴンズドグマで見たような石作りの要塞門をくぐり街へ入るとそこはまさに西洋ファンタジーそのものだった。

岩石タイルで舗装された道に〜そこに並ぶ露天商。

腰に剣を携えたり、背中に杖を背負った人達がちらほら歩いている。

中には人外っぽい見た目の者もいるようだ。


突然先生が声をあげる


「ここは魔法都市ルーメ」

「ここでアニスに魔法を叩きこむ!!」


願ってもない話だ!

俺の目標は冒険者となり仲間を集めてパーティを組み、いつか魔王(いるのかわからないが)なんかを倒しちゃったりなんかりして、ベタ中のベタなろう生活すること。

それを本にして回るのもいいだろう!


よし、やってやろうじゃないか!


やる気は十分

ただ一つだけ誤算があるとすれば、

ファルト先生の魔法授業は想像を絶するものだった。




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