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1話 黄色の天竺葵 後編


「あれ?(れん)くんだよね?こんなところでどうしたの?」

僕はまだ少し呆然としていた。雨に濡れた満面の笑みの少女が僕に話かけてくるが答える事ができなかった。

「もう!なんで無視するの?」

僕はハッとして切り替える。

「ごめんね。こんなところで合うと思わなくてさ。さっきぶりだね千日(せんじつ)さん。」

 彼女は千日 紅(せんじつ べに)、僕のクラスメイトで全く話さない事もないがとても仲が良いという訳でもない程度の距離感の人だ。見た目は黒髪ロングの美人でいかにも「おしとやか」って感じ。こんなに満面の笑みを浮かべているのは始めて見た。

 ふと彼女の足元に目をやる。彼女のものにしては大きい寝袋が転がっている。もう一度彼女を見る。唐突に起こるフラッシュバック、トラウマと重なる彼女の笑顔、僕は足を引きずるように屋上の手すりにもたれ下を覗き込む。そこには雨水で濡れて広がる紅の花が咲いていた。


「よく気がついたね。」

笑顔のまま彼女は言う。

僕はそれに答えず問いかける。


「君はなぜ彼を殺したの?」


その花は世界一美しかった





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