表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/33

第9話:デパートでチェンジ!

「バーゲンなんだよ。アッキー。」


 学校から帰ってくると、アパートの前でハルが待ち伏せしていた。

 第一声がさっきのヤツです。


 そんなこんなで俺たちは今デパートにいる。ハルの話によると今日は月に一度の大バーゲンなんだとか。

 しかし客の数が半端ない。全体的にオバチャンが多いのは気のせいだろうか。気迫がすげぇな。


「なんかオバチャンばかりじゃねぇか?」


「今日のバーゲンでは幻の牛肉が大安売り!なんだよ。オバチャン達はヤル気満々なんだよー♪」


「秋クン!幻の牛肉食べたーい!」


 とりあえず食いしん坊精霊は無視しとく。


「で?ハルも牛肉狙いなのか?」


「あはは♪ハルは違うんだよー。」


 だろうな。ハルの家は超がつく金持ちだ。わざわざバーゲンで買わなくても定価で購入できるだろう。


「じゃあ何しに来たんだ?」


「暇゜潰しなんだよ。」


「帰るぞ。サラ。」


「アッキーひどいんだよぉお!」


 暇゜ってなんだよ。

 それより泣きながらしがみつくのをやめろ。


「暇潰しなら1人で行けよ。俺だってそんなに暇じゃねーんだよ。な?サラ?」


 隣の精霊さんに視線を移す。


「秋クン!ババァ共なんか蹴散らしてくよっ!背中は任せたっ!」


 行く気満々でした。



――――――――――


「はぁ。」


 俺たちは今デパートの洋服売り場にいる。今にもオバチャン達にカチ込みそうなサラマンダーを何とか説得し、ハルの提案でサラマンダーの私服を買う事にした。


「アッキー。ため息つくと幸せが逃げるんだよー。」


 逃げる幸せすら残っとらんわ。


「お洋服っ♪お洋服っ♪ルンルン♪」


 俺とは対照的にサラマンダーはかなりルンルンだ。

 ルンルン言っちゃうくらいだからな。


「えへへー。ハルがサラちゃんに似合うかぁいい服選んであげるんだよ♪」


「よっ!スタイリスト・ハル!」


 何かノリノリだな。

 こういう時って男は肩身が狭いよな。女の子の服の良し悪しなんてわかんねぇからな。

 そんな事を考えていると、突然館内放送が流れる。


 『ピンポンパンポーン!只今より幻の牛肉・ニクコップンの販売を開始致します。数に限りがありますので先着順とさせて頂きます。また…』


 名前!牛肉の名前!


「牛肉の販売が始まるんだよ。オバチャン頑張れーなんだよ。」


「待ってなババァ共!ニクコップンはアタシが戴く!秋クン!殿は頼んだよ!」


 いや意味わかんねぇよ。


「おいサラ。言っておくが牛肉は買わな…」


 "ドドドドドドド!"


 一瞬、地震でもきたのかと思う程の地響きが起こる。てゆうか何か近付いて来てないかコレ?

 俺たち3人は恐る恐る地響きがする方を振り返った。


 "ドドドドドドド!"


「ぶはっ!」

「ぶはっ!」

「ぶはっ!」


 お、オバチャンの大群だぁぁぁぁぁぁ!


 恐らくニクコップンを狙って精肉売り場へ向かうであろうオバチャンの集団が目の前を通過する。


「す、すげぇな。」


「ぱ、パワフルなんだよぉ。」


 オバチャンの群れを見送りながら、俺たちはしばらくその場を動く事が出来なかった。


「や、やっぱり牛肉は諦めろ。あの大群とは戦いたくねぇ。な?サラ…ってうぉっ!いねぇっ!」



 アイツどこ行った!?


「あ、アッキー!あそこなんだよっ!」


 ハルが指さす方へと視線を移す。そこには先ほど目の前を通過したオバチャンの群れ。そしてその中にやたらと目立つ真っ赤な頭が…。


「秋ぅぅくぅぅぅん!へーるぷみぃぃぃい!」


 あのバカ。群れに巻き込まれやがったな。

 オバチャンの群れinサラマンダーは見る見るうちに遠ざかり、やがて見えなくなった。


「…どうするよ。」


「…あはは。」


 とりあえず精肉売り場に行くしかねぇか。行き先が分かってるだけ普通の迷子よりはマシだな。


「しかしスゴい迫力だったんだよぉ。ね?アッ…キ…ぃい?」


 突然ハルがすっとんきょうな声を上げる。


「?…どうした?」


 すっげぇヤな予感がするんだが。


「アッキー。これ。」


 そう言って試着用の姿見を持ってくるハル。

 もう一度言おう。すっげぇヤな予感がする。

 恐る恐る鏡に映る自分を見る。


「ぐはっ!」


 そこには俺と同じ服を着た少女が映っていた。これまた随分と可愛らしいなオイ。


「…ななななるほど。きょれが新しひ制約ナノカ。」


「冷静を装いきれてないんだよアッキー。」


 サラマンダーの野郎。見付けたらただじゃおかねぇぞ。


「離れた途端に変わったんだよ。スゴいんだよぉ。」


 ハルは俺の姿をまじまじと見つめながら感心している。あまり見るな。何か照れる。


「まさか女になるとは思わなかったがな。」


 改めて姿見に映る少女を眺めてみる。

 うん。女の子だ。身長がかなり縮んだな。髪の毛も女の子っぽい艶のある軟らかい質のものに変わっている。微妙に伸びてちょっとボーイッシュな女の子みたいだぞ。


「アッキー。かぁいいんだよ♪」


「嬉しくねぇ。」


 とりあえずあのバカ精霊を見付けない事にはどうしようもねぇな。

 今頃アイツも制約で死ぬまで爆笑してるだろうが自業自得だ。ざまぁみろ。


「うし!それじゃあお騒がせ娘捜索隊。出撃しますか。」


「出撃なんだよー!」


 次回に続く。


 秋クンの新制約が明らかになりました。はい。女体化です。何となく予想ついた方もいたかもしれませんね。

 次回は秋クン女体化編の後半戦です。今回あまり目立たなかったハルも頑張ってくれるみたいですよ。


 先日、この作品を初めてお気に入り登録して下さった方がいました。もーマジ嬉しくって敬語なんか使ってらんねーよイェイ♪て位感激しました。本当にありがとうございました。


 それではこれからも「なちゅ☆りずむ」をよろしくお願いします。


        白月

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ