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第30話:オール・キラーズ!~承~

 小早川家。大企業『ALL』を取り仕切るモンスターファミリー。日本有数の大富豪であり市場はもちろん、政界や軍事関連にも影響力があると言われており、現在もその勢力は右肩上がりに伸び続けている。


「そんな小早川家に今から突入するわけなんだが」


「うっひゃ~!おっきいね~!」


 ピョンピョンと跳ねながら小早川家を見上げるサラマンダー。

 さすが大富豪なだけあって家がデカい。平屋なのに2階分くらいの高さがあるぞ。


「気をつけて下さい。ここからは小早川家の敷地になります。大企業の会長の自宅なだけあって警戒厳重ですよ」


 緊張した面持ちの霧緒が注意を促す。


「で?ハルはどこにいるんだ?」


「特攻隊が入手した図面から考えるに、恐らく最奥にある『お仕置きの間』でしょうね」


 分かりやす過ぎだろ。なんだその名前、ふざけてんのか?


「なるべく騒ぎを起こしたくないからな。出来る限り誰からも見つからずに行くぞ。もし誰かに見られたら口封じする事。いいな?」


「オッケー!」


「分かりました」


 自分でもかなり物騒な事を言ってるとは思うが、ここまで来たからには全力で行くしかねーからな。悪いが小早川家、潰すぜ。


「秋クン。悪い事考えすぎて顔がビスケット・オリバみたいだよ」


 分かりづらいボケをするな。

「それで、どう攻めます?」


 厳しい顔つきで霧緒が問う。


「どう攻めるも何も、入り口は1つ。周囲は高い壁に覆われてるし、壁には電流付きの有刺鉄線ときたもんだ。とりあえず正面から行くしかねーな」


 侵入者対策だろう。入り口が1つしかないってのはかなり厄介だぞ。まぁ、見張りは2人しかいないみたいだし、何とかなんだろ。


「正面から見つからないように…と言うのは難しいのでは」


「ああ。そこで秘密兵器その1の出番だ」


「秘密兵器?」


「私ですわ」


 その時、高飛車な声と共にウンディーネが現れる。そう。水精霊ウンディーネが秘密兵器その1だ。


「ウンディーネ…」


 突如現れたウンディーネに対し、何故か真剣な表情のサラマンダー。


「なんですの?サラ」


「すっごい久しぶりの出番だから張り切ってるね」


「うっさいですわ」


 確かに7話ぶりくらいに姿を見せたな。


「ま、まぁ今回の役目はかなり重大だぞ?頼むぜ」


「任せなさいですわ」


 そう言って水球に変化するウンディーネ。さらに霧状に霧散し、完全に姿が見えなくなった。


「でも何でウンディーネなの?」


「確か精霊というのは一般人には見えないのでしたね。でもそれならばサラマンダー殿でも問題ないのでは?」


 疑問を口にする2人。最もな意見だが、もちろんわざわざウンディーネを呼んだのには理由がある。


「まぁ見てろって」


 屋敷に視線を移し、2人にもそちらを見るよう促す。

 屋敷の入り口では2人の黒服の門番が見張りをしている。その背後に徐々に霧が収束していき、ウンディーネが姿を現した。


「水魔法『水球密牢』」


 ウンディーネの掌からバスケットボール大の水球が放たれる。水球は黒服の頭を完全に包み込み、呼吸を奪う。

 水球をくらって初めて自分達の置かれている状況に気付く黒服。しかし時すでに遅し。息が続かなくなった黒服は、やがて力無く崩れ落ちた。


「…なるほど」


「えっ!えっ!何?どーゆうこと?」


 ウンディーネを起用した意図を理解した霧緒に対し、サラマンダーは全く分かっていない様子でキョロキョロしている。


「精霊は姿が見えない。だが迅速に見張りの行動を奪うという点ではサラの火炎魔法ではリスクがあり過ぎるんだ」


「えー!なんでーっ!あんなのアタシの炎でドカーンて」


 それが駄目なんだっつーの。


「つまり炎では大声を上げられたり、爆音によって我らの存在を察知されてしまうという事ですよ。サラマンダー殿」


 頭のゆるいサラマンダーに丁寧に説明する霧緒。サラマンダーも納得できたようで「なるへそー」と頷いている。


「つまりウンディーネの地味な魔法に比べてアタシの魔法はきらびやか過ぎるのね。全く…罪な女ね。アタシって」


 うん。もうそれでいーや。


「さぁ。とりあえず第一関門は突破した。一気にハルの所まで行くぞ」


「承知」


「れっつらごー!」



――――――――――



「と、勇んで侵入したアタシ達に思わぬ壁が立ちはだかるのであった!」


 屋敷に侵入した俺たちは、出会った人間を次々と無力化し進んで行った。そして屋敷を半分ほど進んだ所で立ち往生せざるをえない状況に陥った。


「これは…壁ですね」


「壁だな」


 特攻隊が入手した図面には記されていない『壁』がそこにはあった。


「勇んで侵入したアタシ達に思わぬ壁が立ちはだかるのであった!」


 何のひねりもねぇセリフを二度言うな。


「明らかに怪しいだろ。この壁」


「確かに。図面にはないですからね。十中八九偽物でしょう」


 侵入者対策か?つーか対策しなきゃならないほど侵入者がいるのか?この家は。


「鋼鉄製ですわね。どこかにスイッチでもあるのではなくて?」


 コンコンと壁を叩きながら周囲を見回すウンディーネ。続いて俺たちもスイッチを探すが見当たらない。


「ありませんね」


「無いな」


 完全に手詰まりだ。まさかこんなシンプルな仕掛けに足止めされるとは。


「こんな壁アタシが吹き飛ばしてやんよ!」


 ウンウンと唸る俺たちを他所に、ずいっと前に出るサラマンダー。吹き飛ばす?こ、コイツまさかっ!


「馬鹿っ!やめ…」


「火炎魔法『心の壁は壊せやしない…決して壊せやしないんだっ!』」


 耳が痛くなる程の爆発音が響き渡る。その直後、瓦礫と化した壁がけたたましい音をたてて崩壊する。


「いっちょあがり~っ!」


 騒ぎを起こさないよう細心の注意を払ってきた俺たち。その努力が水泡に帰した瞬間だった。


 最近執筆作業が遅れており、なかなかアップできず申し訳ありません。

 毎日覗いてくれている方。本当にありがとうございます。

 頑張ります!


        白月

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