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Prolog 悪夢

はじめまして。kittyです。

昔趣味で書いていた小説を編集しながら投稿しています。

設定を詰め込みすぎて途中でギブアップしてしまうかもしれませんが、ゆるゆると投稿していきたいと思います。

暖かく見守っていただけますと幸いです。

よろしくお願い申し上げます。

深淵。

気付けば、少女は一寸先も見えない闇の中にいた。

身体が鉛のように動かない。

心臓は締め付けられ、呼吸も上手く出来ない。


突然目の前から手が伸びてきて、髪の毛を掴まれた。

思い切り引っ張られる。


痛みを感じているはずなのに、恐怖なのか悲哀なのかぐじゃぐじゃな感情が勝って感覚が湧かない。


少女は、懺悔の言葉を叫び続ける。


ごめんなさい


ごめんなさい


ごめんなさい


バシンッ


・・・・・・バシンッ


・・・・・・


少女の懺悔をかき消すように、暗闇に鈍い音が鳴り響く。


頬を。頭を。身体を。

何度も何度も叩かれる。


どのくらいの時が経っただろうか。

いつの間にか、身体が床に横たわっていた。


───!!!!


女性の怒鳴り声がして、

そこに複数人の声が加わった。


暴行が止んだ。

女性と誰かが揉めているようだった。


床から女性を見上げる。


ツー…


女性の目から涙が零れた。

その涙に、どうしようもなく胸が締め付けられる。


女性と目が合った。


「貴方なんて」


意識が朦朧としているはずなのに、その言葉ははっきりと耳に入ってきた。


「生まれて来なければ良かったのに」


呪いのような言葉とともに、少女は一気に現実に引き戻された───


⚜️⚜️⚜️


「───さま……」


睦言と共に、少女は目を覚ました。

胸が締め付けられて、息が思うように吸えない。

涙も止所無く溢れてくる。

少女は大きく深呼吸をして、無理矢理にでも心を落ち着かせようとした。


(また、夢を見ていたのかしら)


ゆっくりと上体を起こし、布団から出る。

カーテンを開けて窓の外を見ると、まだ空は薄暗かった。


(まだこんな時間…)


窓枠に座って、窓の外を眺める。

起床にはまだ早いが、心臓が鼓動して床に就いても再び眠れそうになかった。

何とも言えない苦しさが少女を襲う。

少女は気を紛らわせる様に、震える小さな声で、ある旋律を口ずさんだ。


いきものはみんな

かけがえのない大切な宝物

全く同じなどない

たった一つのいきもの

あなたに大切な者はいますか?

そばにいると温かくて

そばにいないと途端に寂しくなる

そんな存在

いきものはみんな

誰かと触れ合って

自分の心に触れてはじめて

他とは違う自分という存在を

知ることが出来るのです

いきものはみんな

独りでなんか生きていられない

いきものはみんな

ずっとずっと誰かを求めてる───・・・・・・

・・・・・・だからわたしは祈り、歌う

この世に生まれる子らのために

終わりが来るまでずっと

ただただ愛し続けてる



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