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レスト洞窟1

初めてのブックマーク&誤字報告ありがとうございます!

何度か見直しているんですが、それでもミスがあると思うのでこれからも指摘していただけると本当にありがたいです!

 洞窟の内部は仄暗い状態で、少し先は完全に闇で覆われて見えない。

アイテムで松明を使うか、炎魔法か光魔法を使い照らす、もしくはスキルで【暗視】というものを覚えておくと昼間のように明るくなるとか。


 「そんじゃベック、お願い」


 「わかったよ、……【ファイアーボール】」


 ベックさんが手のひらの中に小さな火の玉を出し、それを用意していたカンテラの中に入れ込む。

カンテラが光を放ち始め、洞窟内が明るくなってきた。


 「思ったより効果が高いわね~、安物だから不安だったけども

 光魔法だったら更に明るくなるんだっけ?」


 「掲示板ではそう書かれてたね

 火以外で光も取った方が良いのかな?」


 「ん~、そこはあんた次第ね

 自分がこんな魔法使いたいって思ったなら取っても良いんじゃない?」


 「ならまだ保留かなぁ

 火属性でしばらく十分そうだし」


 「お二人さん、話し合ってるところ悪いがどちらから回るか?」


 「あぁ、ごめんなさい

 それじゃぁ左回りからでいきましょう」


 レスト洞窟は左回りのルートと右回りのルートがある。

最終的にはどちらもボス部屋の前で繋がっているし、道のりも大差ない。

強いて言えば、左側は段差が少しあって、右側は坂道が多いってぐらいだ(by掲示板)

なお、この洞窟はインスタントダンジョン形式だ。

そのため、他のパーティーと遭遇するという状態にはならないのが救いである。

裏を返せば、ピンチの時に助けは来ないということでもあるけど。


 左側の通路を進んでいくと、少し先が開けた場所になっているようだ。

そして、そこにはモンスターの姿もある。


 「コボルトだな」


 「コボルトだけっぽいね、ゴブリンは見当たんないな~」


 「凶悪そうな見た目ですねぇ…、少し怖いかも」


 「ワンちゃん……、思ってたのと違う……」


 「フローラさんだけ何か感想が違う……」


 広間にいるのは、凶悪そうな犬顔で子供ぐらいのサイズのモンスターであるコボルトが5匹。

ジャンさんが言うように、ゴブリンらしき姿は見当たらない。

ゴブリンは確か緑色の皮膚で小汚い姿って話だ。


 「フローラちゃん、モンスターなんだし可愛さを求めちゃ駄目よ

 それに考えてみて?あれが可愛い子犬の顔してたらフローラちゃん攻撃できる?」


 「……!無理です!

 私にはそんな酷いことは出来ません!」


 「でしょう?だからあんな風に凶悪な顔をしているのよ

 頑張って倒しましょう?」


 「はい、リュカさん!」


 「……実際のところどうなんですかね?」


 「あ~、間違ってない話だからな

 過去にやってたゲームでは、一部モンスターが可愛すぎて攻撃できないって意見が多すぎてモンスターのビジュアルが変更されたってゲームもあるし」


 「あ~、あのゲームか……

 改変する前は、そのモンスターを守る会とか言って狩り場を占拠して狩らせないようにする過激派とかもいたよな」


 「えぇ……、迷惑ってどころじゃないじゃないですか……」


 リュカさんとフローラさんの会話を聞いて、思わず経験者であるダイアさんとジャンさんに聞くとこのような返事が。

この返事には俺も隣で聞いていたベックさんもドン引きである。

そう考えると、凶悪な顔で良かった気もするな。

と、ようやく雑談タイムも終わりで狩りの時間だ。

まずは、リュカさんが矢を放ち先制攻撃、次にダイアさんが中に入ってヘイトを集める。

その後、全員中に入り攻撃開始というのが全体の流れだ。

ベックさんとフローラさんの2名は他の人達とワンテンポ遅れて入るようにして、ヘイトコントロールを行っていく。


 「じゃぁ、行くわよ」


 そういうと、リュカさんの矢が飛んでいき、1匹のコボルトに命中。

その瞬間全部のコボルトがこちらを睨んでくる。

結構迫力あるな……。

ダイアさんが手筈通りに一番手に広間に入り


 「こっちだ犬共!【騎士の威光】!」


 攻撃したリュカさんに行っていた視線が、ダイアさんのスキル発動とともに全てダイアさんへと向かっていく。

これでヘイトも集め終わったのだろう、一瞬だけダイアさんが片手で合図を送ってくる。

後は、乗り込んで攻撃だ!






 【経験値を75獲得しました】


 特に危ない場面もなく終了した。

コボルトの攻撃は爪を使った攻撃だが、その攻撃はダイアさんへと向かっていく。

その攻撃をダイアさんは綺麗に裁き、スキがあればスキル【パリィ】でカウンターすら取っていくと余裕を見せていた。

そのため、コボルトはますますダイアさんを狙うため、こちらは裏から切り放題だった。


 「お疲れ様~、初めてにしてはいい戦闘だったんじゃないかな~?

 どう?ダイア、負担とかは大丈夫?」


 「このぐらいだった問題ない

 後5匹は追加してもいいぐらいだ」


 「やるぅ~、それじゃどんどん狩りしていくけども、レベルアップした人とかいたら教えてね

 その時は少し休憩時間取ったりするから」


 「「「了解です」」」


 


 広間から先はまた通路のような場所に入り、少し進むとまた広間が見える。

このマップはこれを繰り返すらしい。

次の広場にいたのは


 「ゴブリンだな」


 「やっぱどのゲームもこいつだけは安定のビジュアルだよな」


 「想像通りすぎて、ある意味安心感のある敵よね」


 「緑色で小汚い……、的確すぎる表現だな~」


 ゴブリンはさっきあったコボルトと同じくらいの背格好だけども、緑色の皮膚をもち醜悪な顔をしていて尚且薄汚れた体だった。

そんなのが6匹。

そして、重要なのが


 「1匹だけ武器持ってません?」


 「持ってるわねぇ~」


 「持ってるな」


 「あれが噂の武器持ちか~」


 1匹だけ、少し他と違い体が大きく尚且武器を持っていた。

確か最優先で倒すモンスターだったな。


 「あれはスキルを使用したほうが良いのかしら

 ダイア、行けそう?」


 「……できれば7まで待ってほしかったがな~

 ベックとフローラ、俺が出来る限り惹きつけるが少しはそちらに攻撃が向かうと思うけども、魔法を全力で打ってくれ

 ジェイドとリュカとジャンは2人に向いそうなやつを優先して押し返してくれると助かる」


 「武器持ちは強い分経験値も多いからね~

 レベルアップも期待できるわよ

 それじゃ、準備はいい?仕掛けるわよ!【スナイピング】」


 リュカさんの放った矢と同時にダイアさんが突入、騎士の威光を使ってタゲ取り。

ここまでは先程と同じだけども違うのは、


 「……【フレイムアロー】!」


 「……【アクアエッジ】!」


 2人の開幕からの参戦だ。

2人の攻撃力は凄まじく、この開幕の攻撃で武器持ちの体力バーが1/3に減っていた。

後4発で倒せるがCDの兼ね合いもあるため連射はできない。

それを知っているのか、武気持ちが周りのゴブリンに指示を出すと5匹が2:3に分かれてベックさんたちに向かう。


 「このゴブリン共、威圧を無効化してやがるのかよ……!?

 すまん、武器もちは俺が抑えるから対処を頼む!」


 ダイアさんがもう一度騎士の威圧を使うが、ゴブリンたちは見向きもしていないようだ。


 「ジェイド君、右側よろしく!ジャン君は左を!私は2人の補助に回るわ!

 2人はCDが終わったら即武器持ちを攻撃して!」


 リュカさんの指示に従い、向かってくるゴブリンを迎え撃つ。

まずは攻撃を与えるが、バーの動き的に後4回は攻撃しないといけない。

そしてそれが3匹もいるのだ。

とてもじゃないがこのままでは後ろにいる、ベックさんを守りきれない。


 「【影縫い】!」


 後ろから飛んできた矢がゴブリンの影に刺さると、1匹が動かなくなった。


 「1分間だけはそのまま動かないから、2匹に集中して!

 ジャン君、ちょっと頭上注意ね!【ポイズンアロー】!」


 成程、1分間だけは2匹の足止めに専念できるわけか。

3匹はきついが、2匹なら行けるはずだ。

しつように後ろのベックさんを狙うゴブリンたちを、剣で薙ぎ払って距離をとらせる。

ん~こいつら簡単に吹っ飛ぶよな。

なら、ちょっとだけ試してみるか。

ゴブリンたちの位置を調整して、剣を握り直して金属バットのように振ってみる。

気分としては野球選手だ。

ゴブリンの皮膚は硬いから真っ二つには出来なかったけども、良いダメージは入っただろう。

後2発ずつぐらいか?

それなら、1匹を切りつけてからスラッシュを発動!

これで1匹の体力が0になった。

その間に抜けたゴブリンがベックさんのもとに向かっている。


 「【ブースト】!【ダッシュ】!」


 剣を一旦鞘に収め、ナックルを装着。

体術が発動できるようにしてから移動スキルを使用。

2つのスキルを併用すると、すごい速さで移動できる。

というか早すぎて、すぐにゴブリンを追い抜いてしまった。

そのままゴブリンの顔面を思いっきりぶん殴る。

よし、怯んだ!


 「後は、こいつだ!【二連突き】!」


 スキルを放つと、ゴブリンの体力バーが0になっていき倒れていく。

さて、残るは……


 「……【フレイムアロー】!」


 ベックさんのスキルが聞こえると、影縫いで止まっていたゴブリンが炎の矢で貫かれこちらも倒れた。

どうやら、今ので終了みたいだな。


 【経験値を175手に入れました

 レベルアップしました

 ステータスポイント5獲得、スキルポイント2獲得

 ステータスを確認してください

 レベルアップしました

 ステータスポイント5獲得、スキルポイント2獲得

 ステータスを確認してください】


 おぉ、一気に2レベルも上がった。

戦闘を終えて結果を確認したが、マナを少し使いすぎたかもしれないけども、特に大きなダメージなどはないようだった。


 「お疲れ様~、今のでレベル上がっただろうから少し休憩しましょうか」


 その言葉を合図に、各々休憩に入りだす。

いや~、疲れたけどもやっぱこういうのが一番楽しいな。

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[一言] 騎士さん、レベルアップしたかなぁ~
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