調達
街に到着。
冒険者ギルドで魔物の死体を売ろう。買い取り窓口で、鞄から大量の死体をドサー。電気女が頑張ってくれた。
「えええええ!?」
職員たちが驚いている。まあ当然だろう。はいはいクマクマ。
クマクマの意味が分からない? ( ̄(エ) ̄)( ̄(エ) ̄) こういう意味だよ。
ともかく資金ゲット。次は買い出しだ。
野菜や調味料を買う予定だったのだが、ここで重要なことに気づいた。ウマい店の料理を「複製」すれば、いつでも「複製」で出せる。
もっとも、飽きて別の料理を食べたくなった場合に備えて、野菜や調味料も用意しておくほうがいいのだが、これらは購入する必要がない。店先へ行って、並んでいる商品を「複製」してくればいいのだ。
「出発前に『保存が利かない』とか言ってなかったっけ?」
「いや……まあ……うん。
でも、ほら、複製するにも元になる料理や食材は必要だし、街に来る必要はあったよ?」
「バ~カ! m9(^Д^)プギャー」
「うるせぇ。」
「まあ、便利になったんだから、いいんじゃないかしら?
それより、掃除する人は、やっぱり必要なのね。」
「それな。」
どうやって探す? という話になった。
普通に募集すると、誰も応募しないだろう。魔物はびこる危険地帯の、その本拠地たる魔王城の清掃員なんて、誰だって嫌だ。命と寝食の保証があると言われても、ちょっとお断りしたいのが普通だろう。たとえ給金がよくても、使うための場所も商品もない。
そうなると、命と寝食の保証があるだけで喜ぶような人材を見つける必要がある。
「それなら簡単じゃん。」
というので、電気女の案内で、とある場所へ。
ご存じ、奴隷商館だ。
掃除ができて値段が安い奴隷という条件で購入。主人を誰にするかという話になり、消去法で俺になった。魔王を主人にすると、うっかり食性の違いを忘れて食事を与えずに餓死するかもしれない。かといって電気女を主人にすると、Sランク冒険者としての活動に随伴するのは厳しいだろう。そこへいくと俺は公的な地位は何もない無職だから危険地帯へ行く必要はないし、自分の食事も世話しなければならないから奴隷の食事を忘れることもない。
「広い屋敷だから大変だと思うけど、頑張ってね。」
と、一応やんわり伝えておく。
ものが魔王城だとは、人間の前では言えない。
そのあと食料品店を冷やかして、ウマい店を調べて、食べ歩きして、魔王城へ帰った。