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働きたくないでござる

 魔王城に住んでいる。

 食事は「複製」で作れる。食材も「複製」できるから調理して新しい料理を作ることもできる。

 衣類も「複製」で作れる。デザインを変えたければ「変形」を使えばいい。

 転移の扉で街に接続したから、娯楽もすぐに手に入る。サキュバスたる魔王を抱くのが一番の娯楽だが、たまには他のこともやりたくなるものだ。

 その転移の扉は、しっかり警備してある。

 もうやるべき事は何も無い。楽しく生活するために必要なものは全て揃った。


「待った待った。ちゃんと働かないと、ダメ人間だよ?」


「働きたくないでござる。」


「ええー……。」


「いや、だって、働くのは給料を貰うためじゃないか。

 つまり生活資金を得るため。生きていくため。

 自給自足で生きるとか、すでに一生分の金を稼いだとかで、これ以上稼がなくていい状態になったなら、もう働かなくていいんじゃないか?」


「そうねぇ。

 魔物だって野生動物だって、働いてるわけじゃないものねぇ。」


 まさにその通りだ。

 餌をとるのは仕事ではない。生きるために必要な事だ。つまり、野生動物の狩猟は、人間でいうと調理である。仕事ではない。

 でもまあ、働かなくても生活できるほど資産がある人だって、働いている事が多い。大企業の社長とかがそうだ。そういう人たちは、生活のために働いているのではなく、趣味を楽しむような感覚なのだろう。

 本質的には「労働とは何か」という話になる。自給自足でも大富豪でも、働かずに生きていける。それでも働くのは、贅沢をするためだ。自給自足より贅沢な生活をしたくて働く。世界を変える、人々の役に立つ、歴史に名を残す、といったような欲望を叶えるために働く。どっちにしても、労働は贅沢なのだ。


「労働の喜び……!」


 奴隷は今日もせっせと掃除をしている。

 あいつに必要なのは教育だな。勉強もまた贅沢だ。学ばなくても生きていける。それでも学ぶのは、収入を増やそうとか、欲望を実現する方法を知ろうとか、要するに贅沢のためだ。

 残念ながら、俺がこの事に気づいたのは、社会人になってからだった。学生の頃に気づいていれば、もうちょっと真面目に勉強しただろうに、と今になって思う。

 実際には、労働は贅沢だと理解してからも働くモチベーションがそこまで上がったわけではない。嫌々働いていたのが、ちょっと気が楽になった程度だ。でも、そのちょっとの差が重要だろう。塵も積もれば山となるというやつだ。気が楽になる分、毎日ちょっとだけ頑張れば、積もり積もって大きく未来を変えるはずだ。

 こっちの世界に来てから、俺はずいぶん急ぎ足で贅沢の準備を整えてしまった。毎日ちょっとだけ頑張るのが、スキルの効果で増幅されて、とんでもない成果になっているだけだ。働かずに生きていける状態は、前世の頃の究極の目標だった。それが実現したのだから、もう満喫するしかない。

ドラゴンクエストビルダーズとか、マインクラフトとか、作者は苦手です。

何らかの効果がある建築を済ませたら、あとは何も作るものが思いつきません。

効率化。機能美。それ以外はそぎ落としてしまいます。

働きたくないでござる。それは究極の効率化。極限の機能美。d( ̄ー ̄)ニヤ

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