3/4
第三話
大昔に消えたモノ。
【王の野望】。大枚叩いて購入し、改造を重ねた自分の拠点。
貴重な装備の数々。
戻って来た。戻って来たのだ。
人気の無い居城。
天守閣から外を見てみた。
背後に、透明に光る神樹と、キラキラ輝く湖面。
辺り一面、木々で覆われ、じっと遠くを見ると、険しい山岳地帯が見える。
響く獣の鳴き声。
空を見た。
眩い太陽と、斑ら雲。
そこに五体の巨大な鳥が嘶きながら飛んでいる。
闘牙はそれを、はっきりと何なのか理解した。
「飛竜じゃないか‥」
闘牙はここで、確信を抱いた。
天啓を得たと言い換えてもいいかもしれない。
『ここは、【王の野望】のような世界で、私は【王の野望】のデータを元に、生まれ変わったのだな!
であれば、やる事は大昔と一緒だ。
この未開地を、好きに開拓して行く!』
熊との対峙の、五日前。
闘牙はこの世に、この世界に生き方を見た。