私の主は可愛すぎ!
今回はメイドのルチル視点です。
まだ、日が昇る前に屋敷の使用人達は目を覚ます。ミズキ専属メイドのルチルもその一人であった。
「さて、今日も頑張るぞ。ん~」
ベットから降り寝ていて固まった体をほぐす。屋敷のメイド服に着替え、身だしなみを整える。
「えっと、まずミズキ様の洗顔用の桶を用意してと」
音をたてないように部屋からでる、隣の部屋にはミズキ様が寝ているから気をつけないといけません。
屋敷には、色々と公爵家だけあって設備がしっかりしている。例えば水を出すのも他の所だと外へ出て井戸の水を掬うが公爵家の場合水の魔石から出すことができる。洗顔用の水桶に魔石から綺麗な水を出した。
これで準備よしっと、さてミズキ様を起こしに行かなくちゃ。
水桶を足元に置き、音を立てずにミズキ様の寝室の扉を開いた。
中に入ってミズキ様が寝てるのを確認っと、規則正しい寝息が聞こえます。
ベットには無防備に気持ちよさそうに寝ているミズキ様がいる。ほっぺ触ってもばれないわよね。
欲望に耐えられなくなりほっぺをツンツンする、するとミズキ様が寝返りをして私の手から逃れようと動く。
かっ可愛い!もっとつんつんしていたいけれども仕事しなくっちゃ。
はあはあしていた息を整えミズキ様に声をかけた。
「ミズキ様起きてください。ミズキ様」
声をかけるだけでは、呻くだけでミズキ様はいつも起きてくれない、やはり起きてくれませんか…
そっと手をミズキ様の体につけ、軽く揺すりながら再度声をかける。
「ミズキ様~、起きてください。朝食に間に合わなくなってしまいますよ~。ミズキ様~、起きてください」
「ん、ルチル~、もう朝?」
「ええ、もうすぐ朝日が昇ってしまいますよ」
「あいかわらずはやいよー、あとすこしだけ寝かせて…んじゃ」
ミズキ様は毛布を深く被る、
「駄目です、朝食に遅れてしまいます」
かわいそうだが毛布を剥ぎ取ると、ミズキ様が丸まっていた。
「ミズキ様ー」
「わかった、起きるよルチル~」
「それでよろしいのです」
さすがに観念したのか、寝ぼけた表情で返事をするミズキ様、やっぱり可愛い!
「ねえルチル?これじゃあ動けないよ?」
いつの間にかミズキ様に抱きついてしまっていたようです。
「すみませんミズキ様。さあ、まずお召し物を変えなければ、今日はどんなお召し物にいたしますか?ご予定ですとお昼頃に商人の一向がやってきますが」
「ル、ルチル?着替えるのは構わないのだけれど、さっきから解放してもらえてないよ」
「すいませんミズキ様~」
私たっらミズキ様にご迷惑を…でも困ったミズキ様も可愛いかったです。
「ほら、ご飯に間に合わなくなっちゃう」
「そうでした、急ぎますよ!ミズキ様、洗顔用のお水です」
「ありがと。んひゃっ、冷たっ!」
水に濡れたミズキ様にタオルを渡す。えっと次はお召し物よね。
「ミズキ様お召し物はどのようにいたしますか?」
「んと、なんでもいいよ。ルチルに任せた」
ミズキ様に着せるからには、恥をかかせないようにしなくちゃ。クローゼットの中にあるミズキ様用の衣服を漁る。これならいいかしら?
「これでどうでしょうかミズキ様?」
手に持つのは藍色に黒などで彩られた公爵家らしい威厳のあるお召し物である。これなら今日の商人の一向に会っても大丈夫でしょう。
「うん。それでいいよ~、んじゃ貸して」
「私にお任せくださいミズキ様。これも専属メイドの務めなのですから」
ミズキ様はいつも自分で着替えようとしてくる。しっかりしているのは、嬉しいのですけれどもここはメイドを頼ってもらえませんとね。
「で、でも~」
「ほら、こっちに来てくださいミズキ様」
「う~了解、ルチル…」
恥ずかしいのでしょうか?ミズキ様は幼いながらどこか大人びた所があります。もっと甘えてくれた方が私も嬉しいのですが。
「どうかなルチル?」
「くぁ!可愛いです!ミズキ様!!」
私たっら、はしたないでもいいんです!だってミズキ様が不安そうに聞いてくるんですもん。その表情たまりません。
「かっこいいじゃなくて可愛いだと…いいのだろうかこれで…」
「ミズキ様何か言いましたか?」
声が小さすぎて聞き取れなっかったです。
「いっやなんでもないよ!ご飯の部屋行こ。ね?」
主に気遣いをさせるなんてメイド失格です。私のばかー。
「ミズキ様、ご飯の部屋ではなくルベランです」
「なんか、覚えづらいな~。どうしてルベランなの?」
とうとう来ましたか「どうして〇〇なの?」って質問が…
「うっ、それは馬にどうして馬なの?てレベルで難しいですね。ふふ、ですが私に不覚はないのです!昔に円卓の何かがお食事する部屋の事をルベランと言ったらしいですよ」
「ルベランね…この世界の特有の言い方なのかな?」
「考えてないで行きますよ。ミズキ様」
「は~い」
ミズキ様は言う事に素直に従ってくれるので大変楽です。公爵家の皆様の担当になったメイド達は大変て言っていましたから、私にできるか心配だったのですけど、ミズキ様って夜泣きもしないですし、あまり泣くって事をしなかったですからね~。
しかも、メイドの私達に笑顔を振りまいてくれるし、あの小さい手で握られたときがまた、
ん~///
「ルチル。ねえったらルチル~」
気づいたらミズキ様が上目遣いでこちらを見ています。
「はっはい!なんでしょうか?」
またやっちゃいました、どうにも赤ん坊だった頃のミズキ様を思い出すと周りの声が聞こえなくなるみたいで困ります。
「ついたよ?ルベラン?」
「あ、はい、そうでした。今開けますね」
これもメイドの仕事です。ミズキ様に続いて中にはいると、イクス様、ルミ様にルナ様が席についていっしゃいました、私はお辞儀をして壁際に行く。
すこし経つと奥様と旦那様が来てお食事が開始する、それにしてもミズキ様って食べ方が綺麗よね。お食事のマナーを一発で覚えてくれるんですもの、あのスープだって、、見てたらお腹空いてきたわね、自分の朝食摂るの忘れてました…はぁ~我慢しなきゃ。
朝食が終わると奥様と旦那様、イクス様は早々と席を立ち部屋を出て行ってしまう。残ったミズキ様は一生懸命食後のミルクを飲んでいる。そんなミズキ様をルミ様やルナ様が撫でている。これもいつもの光景よね。
「気持い?ミズキ」
「はぁ~可愛い」
なでなで…
「うん、ルナ姉、ルミ姉ありがと」
「「可愛い~」」
なでなで…いいなー私も撫でたいな、、
「お二方そろそろ習い事の時間ですよ」
ルナ様とルミ様専属のメイドが二人に声をかける。お二方は名残惜しそうに手を放すとミズキ様に別れの言葉を言い部屋を出て行った。
「さあ、ミズキ様私達も行きましょう」
「そうだねルチル」
「お昼までの、ぐぅ~」
不覚にも私のお腹の音がなってしまう。まさかこんな私とミズキ様しかいない状況でなるなんて、、恥ずかしい。私の顔に熱が集まっていくのが分かる、多分顔は真っ赤になっているだろう。
「お腹減っているのルチル?」
「朝食を抜きまして、、大丈夫ですよ。我慢できますから」
「ちょっと待っててルチル」
そう言ってミズキ様は調理室の方へ行ってしまう。なんだろうと聞き耳をたてていると。
「これは、ミズキ様どういたしました?まさかお料理がお口に合いませんでしたか?」
料理長の声?
「料理はおいしかったから心配しないで。ご馳走様でした。えっとね、まだちょっとだけお腹が減っててサンドイッチかなにか残ってる?」
「あまりもののサンドイッチがありますが…ミズキ様のお口に合うかどうか」
「大丈夫だよ。料理長とここのコックさん達が作るもの全部おいしいもん!」
「「ミッミズキ様!!」」
「ありがと。んじゃいくね」
ミズキ様が戻ってきた。勿論手にはサンドイッチを持っている。
「はい、ルチル」
「あっありがとうございます」
ミズキ様たら私の為に…
「ここじゃ何だしお外行こうよ」
「ええ、そうしましょうか」
そうして、私とミズキ様は部屋を出た。