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道は続いてく

今週は、二回投稿を、、、ゴクリ。

ゲイルが馬を走らせる事数刻。ミズキ・ハーヴァントで坊っちゃんこと俺は絶賛ピンチに陥っている。


何故かと言うと、

後頭部に走るゲイルの胸板の感触。

これに尽きる。


馬が跳ねる度に、硬いけど柔らかい、、、このなんとも言い表せない感触が頭にダイレクトにやってくるのだ。


最初は、移り変わる景色のおかげで気にすることは無かった。


だって、乗せて貰ってる立場だし、行方不明な俺を迎えにきて貰っちゃったし、、、


しかーし!続く限り道の左右が森林で代わり映えしなくなってくると、色々考えてしまいます。


走り続ける馬のせいで、ゲイルと俺はお互いに顔が見えないけど、何かを察したのかゲイルは話しかけてくる。


「坊ちゃん、あっしんの胸に体を預けてくだせえ。らくですぜ」


流石だよ、ゲイルさん。気配りが出来るのは良い男の証だね。けど、、、

そうじゃない!そうじゃないんですよ!!


それ、どんな拷問だよ!と全力で叫びたい、けれど高まる気持ちを抑え込むに徹する。


喋ろうとすれば舌が偉いことになるのが目に見えているからだ。


ああ、早く着かないかな、、、




「、、、ちゃん。坊っ、、、ん。坊っちゃん!大丈夫ですかい?」


肩を揺さぶられる感覚。


数刻前に、同じような事が有ったような、、、

目を開ければ、優男さんが、、、では無く強面外見なゲイルがいる。


「坊っちゃん起きましたか?」


ちょっ、、、近いです。キスが出来るまで数センチ程。

誰が、こんなラブコメ展開を求めるんだよ。


「あ、うん、起きたけどゲイル、ごめんちょっと離れて」


素直にゲイルが下がってくれるのに一息つく。それから、起き上がり辺りを軽く確認。


見慣れた木々なんかは無く、膝位まで伸びる草が群生した野原だった。


私兵の何人かで、鍋をかき混ぜたりして料理をしたり。他にも見張りや薪用の木を回収などと何かしら皆働いている。


近くにいるのはゲイルのみ。聞く対象も自然と決まる。


「ねえゲイル、今どんな状況?」


「ええ、坊っちゃんが気失っちまったんで、一休みしてるとこでさあ。それより本当に大丈夫なんですかい?」


気絶した原因は、恐らくあれでしょうね。


胸板、感触、、、


意識が逝く前に考えるのを辞めた。


「ゲイル達に会えて、安心したらから思わず眠っちゃったよ」


嫌な記憶は忘れる事に限る。


「坊っちゃんはあっしらが責任持ってお守りしますんで、ゆっくりしてくだせえ」


格好いい言葉を言ってるゲイルだが、照れてるのか顔がデレってしていて、なんとも言い難い思いが生まれます。


「ありがとゲイル。とりあえずこのまま休んでるのもなんだし、手伝うよ。なにすれば良いかな?」


「坊っちゃんは座って待っててくだせえ!」


手伝うと言うと公爵家の皆は決まって慌てて断るのを辞めて欲しい。


「俺が手伝いたいから良いの!薪用に木の枝でも拾ってくるよ」


早急にこの場から離れようと、ちょっと遠くに見える私兵が居る場所まで走る。


この野原、なかなか歩き辛い。伸び放題の草がつま先に引っ掛かって転びそうだ。


危なっかしい足取りで、木を収拾している私兵に追い付くために四苦八苦する。俺が近づいてくるのが分かると手を止めて待っていてくれた。


遠目だから気がつかなかったけど、十分な量の木の枝集め終えてるじゃん。



「ミズキ様起きられたのですね。それはそうて、ミズキ様はどうしてこちらに?」


ここは、正直に木の枝拾い手伝いにきました!っとでも言うべき?


終わってるのに手伝うって何をどうすれば良いんですかね、検討がつきません。


迷惑になるのが嫌なんで、拾うから運ぶに内容を変える事にした。


「枝を拾うの手伝おうと思って来たんだけど、もう集まってるよね。だから、集めた枝を運ぶの手伝うよ」


「ありがとうございますミズキ様。ですが、大丈夫ですよ、このくらい私一人で運ぶ事に支障はないです。お気持ちだけでも助かります」


眩しい笑顔を顔面に貼り付けた私兵さんに、断られてしまったんでしょうがなく、、、ほんとーにしょうがなくだけど一緒に付いて帰るだけにした。


さらに、

「気を付けてくださいね、草の中に何か潜んでいるかもしれませんので」

と心配までされる始末。俺が頼りないせいだとは思いたくないです。


枝を持った私兵さんと結局ゲイルと別れた場所近くまで戻って来てしまう。


ゲイルが移動に使っていた馬を撫でて鎮めているのを気がつく。


まだ、ゲイルには気がつかれてないよな、、、

手伝いに行ってくると言った手前、このまま戻るのは恥ずかしい。


なので、そのまま私兵さんの体に隠れるようにして鍋をかき回していた私兵の所まで進む。


鍋に近づくにつれ、堪えようのない空腹を加速させる匂いが漂ってくる。


火元に枝が無事に置かれたのを確認してから、鍋をこっそりと覗き込んだ。


中身は薄い黄金色をしたポトフみたいな料理。


「美味しそうな匂いだね、何作ってるの?」


味を調えるためか、何かを追加していた私兵さんに質問すると、横からひょこっと顔を出した俺にびっくりしつつも答えてくれる。


「これは携帯食で作ったスープですよ。有り物での料理で申し訳ありません」


ありものにしてはかなりの出来だと思う。腹がグーグー言ってるんで早く食べたい。


「有り物なんて気にしなくていいよ、とっても美味しそうだもん。もうすぐ出来る?お腹空いちゃってさ、へへへ」


思い返すと、拉致られてからまともに食べ物食ったっけ?適当な木の実と落ちてたドングリらしき物しか記憶がないや。


「味付けも終わりましたし、盛り付けるたら持っていきますよ。ですので、ミズキ様はあちらで待っててくださいね」


「了解~」


言われた場所で待ってると私兵さんが木で作ったお椀にスープを持ってきてくれた。干し肉と木の実もセットで豪華だ。


匂いに釣られて戻ってきた他の私兵さんも地面に腰を下ろす。


その中に居たゲイルが、受け取った干し肉を噛みちぎりつつこのあとの日程を教えてくれた。


「坊っちゃん食事中すんません、時間がないんで今言っときますわ。あっしらはとりあえずミルア隊長が駐留している村を目指しております。馬を飛ばせば今日には着くかと」


なんでも、俺を捜索する為に隊長達が四方の村で捜索本部を作っており。そこから部下を各地に派遣しているらしい。


ゲイルはミルアの部下だから、上司に報告ってことでミルアの所に行かなきゃいけないんだと。


「ミルアに会えるんだね~。そういや、俺が居なくなってから皆どんな感じだった?」


「そりゃ、大慌てでしたよ!ルチルさんは泣いていたし、ミルア隊長のあんなに真剣な顔は久々にお目にかかかりました。心配の声や隊長達の怒号がこれでもかってくらいでしたね」


帰ったらかなり怒られますね、、、

拳骨や説教のフルコースの未来が見える。



「なら、早く帰って無事を伝えなきゃね。のんびり食べてる場合じゃ無いか」


怯えたせいで体が震えながら、少しでも早くしようと一心不乱に料理を食べ続けた。


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