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急な事件はお断り

お求めの20話はこちらでーす。

「あ、あれ、ここどこ?なんで俺が檻に入ってるんだ?」


 どうやら、どこかの牢屋に入れられてるみたいだ、周りを確認しても、人一人の気配もしない。


「おかしいな~、今朝いつも通りのギルとの模擬試合をしようとして、朝から急いで屋敷を出てどうしたんだっけ?うーん、そうだ道端にメイドが一人倒れてて、声をかけたら眠くなって、、、あれ、それって、、」


「あら、気づいたの?君の顔を見るのも2年ぶりかー、順調に成長しているみたいね」


 ドアが開いた事で、光が差し込み若干のまぶしさを感じながらも、中に入ってきた女性の声に問いかける。


「ここは、どこです?」


「そうねー、ただ教えるだけじゃつまらないわね、私のこの格好見て分かるかしら?」


 まだ、目が慣れなく、声の所持者の姿を見ようと牢屋の柵に近づいた。


 どうやら、声の所持者も柵の近くに移動してくれたらしい、足音が聞こえた事から分かった。


 目を凝らして、柵の前の人物を確認する。女の人で間違いないな、静寂をつかさどる様な青色の髪が背中に長く垂れている。


 この黒装束どこかで、、、あれ、ミルアが言っていたような。





「いいですか?ミズキ様、冒険者は魔物と戦うだけじゃないのでございます」


 ある日、ミルアに冒険者について、聞いた時のことだ。


「えっと、他になにをするの?」


 一指し指を立て、ミルアは膝を折って目線を合わせてから質問に答えてくれた。


「人間の討伐です。もちろん一般人では無く。賊の類です。ギルドは、賊の討伐も依頼しますので。対複数の訓練もやっておいた方が良いでしょう」


「へー、戦えるかな?」


「良いですかミズキ様、もし、賊に捕まったら何をされるかわかりません。奴らは、人間の悪の部分でありますから。黒装束で人目を隠すような人物にお気を付けください」


「じゃあ、賊が逃げ出すくらい強くならなきゃ」


「はい、頑張りましょう」


 こんな事があった。





 んで、今俺は檻の中で、目の前には姿を隠すような黒装束の女性、、、賊?


「お姉さん賊?」


 女性は、何も持っていない右手で、俺の顎から頬にかけて撫でた。なんとも、いやらしい手つきです!


「ええそうよ、公爵家の君を攫ってきたの、ここはアジトよ」


 攫ってきた、、、て、え、何俺連れ去られたの?


 どうもミズキです。訓練していたのにも関わらず7歳にて、絶賛賊に拉致られ捕まっております!


 内心は、嵐の如く混乱しまくっているが、相手に隙を見せるわけにもいかず、平静を装って言葉を返す。


「へへへへっへぇ~、拉致らっれちゃったの!?」


 隠しきれない自分の残念さに嘆いた。


「さすがに、動揺したみたいね。その、不安そうな顔もたまらないわ」


 たまらないって、どうゆう事!?舌なめずりして俺を見ないでくれ。


「おねえさんが、良い事してあげようか?」


 俺、初めては婚約者にって夢あるんだ。でも、ここで儚く散るのも、、、悪くない!


 よし、焦ってるのを醸し出して、怖がれば攻めげな、お姉さんを釣れるはず。


 ちょっぴり、後ずさりして準備完了。


「ソンナ、ナニスルノ!?」


 俺のばっかやろおぉ!今すぐ自分で自分を殴りたくなった。


 お姉さんも、ぽけって時止まっちゃってるじゃん。すると、お姉さんは突然笑い出した。


「あはは、はは、なによそれ?全然感情入ってないわよ、本当にボスに渡したくなくなっちゃったわ、こっちきなさい」


 すこし、後ずさっていたため柵から離れていた体を、お姉さんが服を引っ張る事によって元の位置に戻される。そして、頭をぐりぐりど力強く撫でまわされた。


 ちょっぴり痛いが、なんだか落ち着く。


「素直に撫でられるなんておかしな子ね、普通、貴族の子供は軽蔑した目や、醜にくく喚いたりするだけだと思ったのに」


「サリー、その子が目を覚ましたら、ボスの下に連れてこいっていわれていたろ?なにやってんだ?」


 再びドアの方から、声が聞こえたので視線をドアに向ける。ドアにもたれかかった、鈍い黒色の大剣を背に持ち、所々を鉄のアーマーを装備した女戦士っぽい人がいた。


「分かってるわよ。今から連れて行くわ、ほら、来なさい」


 お姉さんが牢を開けてくれたがいいのだろうか、俺今それなりに鍛えていたから油断さえしなければ結構強いと思う。まあ、場所の確認と訳も聞きたいし、しばらくは素直に従っておこう。


 俺は、牢をくぐり前を歩くお姉さんに付いていくことにした。


「ずいぶんと素直だな、逃げ出そうと暴れるかと予測したんだがな」


 そう言いながらも、俺の背後でいつでも大剣抜けるようにしている女戦士さん怖いっす、、、


 扉の先にあった光源は、壁に付けられた魔具だったか。

 確か魔具は、付与魔法で物に魔法を閉じ込めて、魔法を魔力があれば誰でも使用できるようにする代物だ。


 しばらく、洞窟を掘り進めた土壁みたいなところを歩いて、ある扉の前まで連れてこられた。


「ここに、ボスがいるわ。少しでも長く生きたかったら問題を起こさない事ね」


 俺が、返事する間も無く、扉が開けられる。


 中では、数人の黒装束の人たちと、上座に一人上半身が布一枚に、下半身はズボンを履いた、前世のアラブ?の格好をした女性が机で何かを言い合っていた。


「いい加減にしろ!おめおめと逃げろって」


「報告された情報だと、いまだに動きはありませんがここも危険です」


「死ぬか生きるかだ、そうしない限り稼ぐ方法がないのだからしょうがないだろ!それに、公爵家のガキは前から目をつけていたろ?捉える理由が変わっただけだ」


 前から?お姉さんも2年前ぶりとかいっていたけど、俺ってずっと狙われたのか。


「しかし、、、」


「いいか、こうしている今にもあいつらの命が消えかかっているんだよ」


 会議は白熱しているようである、さっきからボスと言われている人と黒装束の声が女性の人が言い争っている。


 俺、完全空気じゃね?存在すら気づかれてないよ、居る意味なくない?


 立ったままも嫌なので、会話に参加しようと試みる。


「あのー、お取込み中すみません、、」


「ああ、今会議ちゅ、、いつからいたんだい?」


「いい加減にしろと怒鳴ったあたりで、びくついてました」


「そうなら、声かけろ、、、どうして目線を逸らす?」


 斜め下を向いて一向に目を向けない俺に怪訝に思ったのか、聞いてくる。


 他の黒装束の人の視線がひしひし伝わってくるな、ええい迷うまい!正直に言ってやる。


「あのですね、そのーボスさんの格好がですがね、、、」


「いっちょまえに、あたいに欲情してんのか?」


 ボスの直球な言葉に、俺の顔は真っ赤に染まる、言い訳させてもらうと前世でほとんど女子との出会いが無かった俺は免疫がないのだ、、、まあ、普通の会話とかできるんだけどね、その何と言いますか。


「図星か?てっきりメイド達で遊んでいるのかと思ったんだが、その顔で女性の格好に弱いなんて笑われちまうよ」


「余計なお世話です、いいから何か羽織ってください。じゃないと見れません」


 お願いしたんだが、嫌だと突っぱねられてしまった。強情た人だな。


「いいからあたいに顔をもっとよく見せな、ぬくぬく坊ちゃんかと思いきやなかなか見どころのあるガキだね、何もしてないように見えてちゃっかり、重心を整えて居やがる」


 この人、見ただけで分かったのか!

 俺は、ばれないように戦闘体制にしていたんだが、勘づかれたらしい。


 急に扉が勢いよく開けられる、それと同時に一人の人間が転がりこむ勢いで入ってきた。


「ボス!クミが突然倒れました!」


「なんだと!?すぐ連れてこい」


 緊急事態か何かですか?俺の心の声もむなしく、事態は流れて行った。

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