理不尽な最後は幸福への一歩?
少しだけ連日投稿の予定です。
身体の節々が痛すぎる…俺は不良に殴られた腹を擦りながら帰路につく。
世の中って理不尽な事が多すぎるとおもわないか?例えば、いじめを受けた親友を庇ったら自分がいじめを受け親友まで自分をいじめてきたり。電車で痴漢をしていなくても女性側が痴漢!と悲鳴をあげたら自分がまるで犯人扱いだ。自分の会社に裏があり正統性を訴えた所でクビからの無職である。
だが今、俺が思っている理不尽をあげるならナンバー1で非常識の固まり今風不良であると言えよう!なんてたって俺受けちゃいましたからね不良からの理不尽を!友達も半分不良だったよ!まったく高校で会ってたまたま駅が一緒ってだけですよ。つるむようになったの。
人間なんてそんなもんさ、世の中にこれ以上の理不尽が有っても自分が受けた理不尽が一番なんですよ。とか頭ん中で思いながら歩いていると前方の信号前で理不尽の元凶今風不良様同士が争っているではありませんか!
「さっきからうっせーんだよ!お前!」
「ああ?お前にかんけーねーだろ!俺は急いでんだよ!」
「はぁ?なめてんのお前?」
ぷぷぷ、何故不良と言うものは言葉を伸ばすのですかね。
まあ、それは置いといて俺なりに現状を考察してみるとこんな感じかな?
不良A急ぐ→信号が赤→不良Aイライラ→不良Bうるさい不良Aにイライラ→不良B文句→イライラ故に不良Bに反発→口論。
われながら洞察力有ると思うとニヤニヤしてくる。
しかし、周りの人は迷惑そうだな。俺は不良達の少し後ろで待機することにした。
そんな時、不良の前に小学生低学年ぐらいの女の子が二人いるのに気付いた。巻き込まれたら危なくね?とか考えていたらと不良Aが吹っ切れたのか赤信号で渡ろうとしやがった。
不良Aの視線は道路を見ておらず、不良Bを視界に捉えている。
そのせいで小さくて気付かなかったのか女の子を前に押し出す形になってしまった。間の悪い事にトラックが結構なスピードでこっちに迫って来ているのが俺でも分かるが、突然女の子二人は急に前に出された事によって道路上で固まってしまっている。
不良Bは焦って背丈が同じくらいの不良Aの肩を掴んで引き寄せ安全を確保するが、このままでは女の子二人が轢かれてしまう。
周りはあまりの事態に行動出来ないみたいだ。
周りが固まっている中、俺は女の子を救うべく両手を伸ばし自分と入れ替わる形で女の子と場所を替わった。
俺は、こんな感じの事に憧れてたのかもしれない…だってそうだろ?こんな急な事に対応出来るなんて前もって脳内で練習してなきゃできないよな?
もう、トラックに当たるまで数秒程度になっている。だから俺は伝えたかった…女の子達に…
「大丈夫だ!問題ない!(ニヤ)」
笑顔で言えたかな?
俺は周囲の人達に見られながらトラックに跳ねられた…
~謎の空間の者達~
あわただしく一人の美女が豪華な廊下を走っていた。
その姿はこの世の全てよりも美しいと言っても過言ではないのだろうか?「私美人でしょ?」とか言っているギャルが見たら自分の姿と比較してあまりの恥ずかしさに自殺をし、また恋人に「俺はお前愛してる」と言っていた男がいてもそいつは恋人を捨て全力でこの美女を追いかけても、無理もないだろうと周りが諦める程に「美」と言う言葉があっている者であった。
「ディオニス!分かっているでしょ!急いで!!」
美女が名前らしき言葉を言い放ちながら扉を豪快に開けた。
「ベネディア!ああ、だから儂も急いでおる!」
その扉の開いた先に青白い光を発するモニター画面をいじくりながら厳格そのものを表したような言葉がじじくさい青年が口をひらく。
「まさか、このタイミングで生じるなんて…私達が原因よね?」
ベネディアが焦りながらもディオニスに問いかける。
「あたりまえじゃ!儂達が目を離したばっかりに…観月と言う名の生命の時を狂わしたのだ!」
ディオニスは、口を開きながらもモニターをいじり続ける。
ブーンブーン
モニターをスライドしたり、タッチしながら作業を青年は続けていく。
「無崩観月の思考回路に侵入成功。輪廻の輪に向かう魂を呼び戻します。
大丈夫ですか?YES or NO」
どこからともなく聴こえてきた機械音声に対して青年は迷わずYESを押す。
「呼び戻しに成功。新しい肉体の生成を開始。性別 男。容姿はどうしますか?」
機械音声に喋りかけるようにディオニスは「最高で」と答える。
「了解しました。問題発生。肉体生成に対して母親の母体から胎児として出産されなければ生成できません」
「ふむ、ならばしょうがないか…胎児から肉体を生成。記憶がなければ意味がないか…生前の記憶を引き継ぎ。よし、最後に彼が脳内の妄想で描いた力を与えておくとしようかのう。」
ディオニスは別のモニターを見ながら操作する。
「問題を処理。作業を続けます。胎児として産まれる世界を世界ミードカルドに設定。本体に力を付与。以上で作業終了。生成をタッチしてください。」
「これで、あの男の子に謝罪になったか不安だけど大丈夫かな…?」
今まで黙ってディオニスを見つめていたベネディアがディオニスに声をかける。その声は若干トーンがさがりまるで落ち込んでいるようだ。
ベネディアに対しディオニスは、元気を出すように語りかけるように口を開いた。
「大丈夫じゃよ。彼の脳内を見たら世界の理不尽に嘆き、小さい頃に夢見た異世界に行って過ごしたいなーなんて考えておった。」
しかし、うって変わって落ち込んでいる顔になり
「だがしかし、儂らがやってしまった事は取り返しがつかない…一度死んでしまったらその世界にはもう戻れないんじゃから…儂らは彼に謝罪をしなければならんの…」
「そうね、なら加護を与えるのはどうかしら?私の加護とあなたの加護を!」
ベネディアの提案にディオニスは賛成し
「ならば、加護を与えていちおう現状を教える事にするかの」
そう、言いながらディオニスは肉体生成をタッチした。
「肉体生成のタッチを確認。肉体を生成。魂の挿入を確認。以上終了します。」
機械音声に対してベネディアとディオニスは息をはいた。
~謎の空間の者達終了~